5日目④「死海は無理」

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ペトラを出て死海へ行って夕陽でも撮ろう、そんな単純な発想でした。

泳いで水が目にでも入れば死ぬほど痛いし(塩分高すぎです)、だいたい泳げないし。見るだけでいいんだ。

これがグーグルの出すルートで、私自身、ペトラから65号線を通って行きたかった。

アンマンから南下した時は15号線をひたすらまっすぐだったので、帰りは違う道にしたかったし、死海には65号線の方が近いから。

ナビは「死海(Dead Sea)」でセットしました。死海のどこへ行くか知らないけれど、あっちのほう行ったら標識出てるだろうから、死海のどのあたりでも良かったのです。

ただ、ナビは15号線に戻るルートを出したのです。ところが私はそれを無視して65号線の方へ向かいました。

左の方へ行けば65号線。地図を見て頂ければ分かりますが、間違うはずがないのです。常に西へ向かえば65号線へ乗れるはずだったのです。

65号線までの道は国道ではないし、一般道で街並みを見ながら走れて楽しいはず。私はそういうドライブも大好きだし、ナビが逆を示す中無視して出発。

4時前だったと思います。

走れど走れど田舎町。楽しいけど、人が見ます。

車を運転中の人ではなく、街の人です。

通り過ぎる私をじっと見ます。

65号線に向かって走ってはいるのだけれど、うまくいきません。カーブが多く、余計に走行距離が増えていきます。

でも楽しいからいいや。

こんな田舎町に外国人が来るのは珍しいのでしょう。しかもスカーフもつけていない女性。そして一人。

ところが、大人はジロジロ見るだけで済んだのだけど、子供はそうはいきませんでした。

学校を終わって遊んでいる時間にあたったのだろうけど、集団で子供が遊んでいました。

そして、どれほど視力いいのかしらと思うほど遠くから私を見つけ、私がそこに車で辿りつく頃にはもう道をほぼふさいでキャーキャー言っています。

日本人だと分かったのではなく、多分ただ外国人だから騒いでいたのだと思うけど、もうニッコニコして出てくる。

そしてあろうことか、ボンネットをバンバン叩くのです。

喜んじゃって、キャッキャキャッキャ。

焦ったのは運転手の私。

危ないから車から離れなさいとジェスチャーするけれど、完全無視です。

窓を開ければ多分腕とか入れてくるので、もっと危ない。車を完全停止しては完璧に包囲されてしまうので、ものすごくスローで進みながら、危ないから離れて頂戴とジェスチャーしながら進みます。

そして、最後に取った手段は、「バイバイ」でした。子供はバイバイ好きなので、バイバイと車の中から大きくみんなに手を振りました。

すると、つられてバイバイしてくれるので。つまり、ボンネットから手が離れるので。

そして、ずっとバイバイしていると、去って行くのだなと分かるので、ちょっとずつ車から離れてニコニコしながらバイバイしてくれる。

 

 

「助かった・・・」

 

 

と思いながら進むけど、又遭遇します。

子供が人懐っこいのは良くあることだけど、ヨルダンの子供には参ってしまいました。

だけど、今思えば、降りてしまえばよかったのです。この際降りてしまって、陽が暮れるまで一緒に遊べばよかった。

65号線に出ようと延々とドライブしているぐらいだったら、まあドライブは好きだし楽しいけれど、それでもあの子たちと騒いでいたほうがずっと楽しくていい思い出にもなったはず。

「轢いちゃうかも」と怯えているぐらいなら、残された数時間一緒にいれば良かった。

通学路か何かを通る度に子供が集まり、冷や冷やしながらすり抜けました。

いつまでたっても65号線には辿り着かない。でも、来た道を戻れば又同じ子供たちに遭遇し、ボンネットバンバンが始まるかもしれない。

だから別の道を行ったほうがいい。きっともうすぐ65号線だから、もう少し走ろう。

ナビは間違っていたわけではなく、ちゃんと車と一緒に進み、現在地を出してくれていました。

ようするに、舗装はされているけれど、高速でもない道、住宅街を走るのは想像より時間がかかって、65号線に着くまでには数時間かかるようでした。ナビが65号線を行くルートを出してくれてたのなら別だけど、私が言うことを聞かなかったからめちゃくちゃになってしまった。

そしてもう諦める。

もう、陽が暮れるし。

そう思って車を停めて降りました。
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もちろん私はどこだか分かっていません。
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もう死海は明らかに無理。諦めよう。月出てるし。
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無事にアンマンまで帰れたらいいや。

そしてこれが、私のヨルダン最後の写真。
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この後はおそらくナビに従ったと思います。

どうしても15号線に出ようとするナビに。

そしてさらに数時間走るのです・・・。

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