1日目⑥「誰かがいないと」

 

 「クラウンプラザヘルシンキホテル、知ってる?」

運転手さん 「うん。わかるよ」

 「どっちに乗ったらいいの?後ろ?前?」

運転手さん 「どっちでもいいよ」

 

 

とのことだったけど、助手席に荷物が乗っていなかったので、何となく前へ。

 

 

 「あのね、ホテルはクラウンプラザなんだけど、スーパーへ行きたいの。だけど、ほら、もう遅いから、やってるスーパーが近所にあったらそこでおろしてくれないかな」

運転手さん 「うーん。わかった。あの辺にスーパーが2つあるんだけど、おそらく裏にあるやつがまだやってると思うから、そこが一番近いから、先にそこへ行ってみよう」

 

 

前に座っているので、運転手さんとおしゃべり。物価が高いとか何とかいう話をしていたよ。「物価が高いねぇ」と北欧人と話すと、たいてい、「税金が高いけど、恩恵を受けているから全然腹が立たないよ」とかえってくると思うのですが、やっぱり私は、「それは分かるんだけれど、私、住人じゃないから、実感ないし」という感じで。

みんな、教育が無償だったり、育児休暇等が充実していたりと、人生でのお得があるわけなのですが、私たち旅行者は人生のほんの数日しかそこにいないので、税金の戻りを間接的に受けることもできず、「いやあ、物価高いねぇ」で終わってしまう。

でもね、高い高いとは言ったけど、本当は、それほどでもないことは良く分かっていました。単なる、「ヨーロッパ値段」でした。その上に、物によって数段階になっている税金が乗っていただけです。西欧と変わらないんじゃないのかな。その後行ったバルトは安い安いと言われていたけれど、私は高く感じました。

というわけで、物価が高いことの基準をあいまいにしておき、旅行記へ戻りますと、ある意味、「こんな風に税金に満足している穏やかな人たちと話せるという素晴らしさ」というかたちで、税金の超間接的戻りを頂きました。これは、日本で50万円出しても手に入るものではありません。

 

 

税金の話もしながら、薄暗い道を行きます。

 

 

ホテル近くまでくると、ホテルへは行かず、裏通りへ。すると、運転手さんが思っていたスーパー、やっぱりちゃんと開いていました。良かった。

というわけで、会計。

 

 

熱心に領収書に色々と書いてくれました。

 

 

まじめなのよね、みんな。そう思うよホント。大好きだよフィンランド人。

 

 

さて、マーケットという名のスーパーへ。10時までなんだね。間に合ったよ。時刻は9時17分。

 

 

小さいからコンビニタイプかと思ったけど、色々と売っていました。

 

 

品揃え豊富。

 

 

良く分からないけど、チーズとか。もうね、寒くて寒くて。

 

 

ジュースを見たけど、気に入ったものはなし。水はどこなの。

 

 

パックのフルーツジュースとかを探していたけど、ここは違うみたい。

 

 

この辺かな。

 

 

なんかちょっと高いな。高級ジュースかな。

 

 

ああ、見慣れたものが。スタバがあるんだ。2ユーロだと、266円ぐらいだ。日本よりちょっと高い。

 

 

カフェオレ系が結構ありました。イギリスにはあまりなかったです。スタバはあったけど、やっぱり高かった。

 

 

レンジでチングループでしょうか。レンジがあったら買ってみたかったんだけどね。

 

 

ええとね、全部の写真を撮っていないんだけど、水、紙パックの1リットルぐらいのリンゴジュース、小さなパンケーキ、プリングルスの短いやつをカゴに入れて、目についたからバナナを買いに行きました。

どうやって買うか分からなかったけど、バナナを少しもぎとって、測りの上に乗せ、何だか分からないけど画面に何か出たので、それを押したらシールが出てきたので、バナナに貼りました。

 

 

シールでは、1.09ユーロと出ていました。

何も考えずにカゴに入れた後、ふと、「安くない?135円とか?ジュースとかあんな高いのに?」と思って、店員さんのところへ行きました。

 

 

 「あのさ、バナナ買おうと思ってシール出したんだけど、なんか、間違ってると思うんだ」

彼女 「ああ、ちょっと待ってて。もう一度計算してみる」

 

 

そう言って測りのところへ2人で行きながら、

 

 

 「色々と高いのに、バナナが1ユーロで安いから、間違ってると思うんだよね」

 

 

彼女 「ああ・・・うん。間違ってる。実際には、0.68ユーロだよ・・・」

 

 

 「え! ジュースもお菓子も高いのに、バナナはそんなに安いの?」

彼女 「そうだね」

 

 

2人 「きゃははははは」

 

 

バナナ、非課税なんでしょうか。どちらにせよ、日本は果物が高いからね。その印象が強くてね。

合計、6.93ユーロ(919円)。本当は、他にも色々と欲しかったんだけど、食べたくなるようなものがなかった。何よりも寒くて寒くて、早くホテルへ帰りたかったし。

 

 

とうわけで、すぐそこのホテルへ。

まっすぐ突っ切らせてくれれば早いからと思って行ってみたら、

 

 

突き当り。

 

 

早く工事が終わるといいけど、この空地に何か建ちそうなので、将来も通り抜けは無理かも。

 

 

ぐるっと回りましょう。

 

 

あんまり寒いので、早足。

そしてまた、エレベーターにて連続のカード差し込み。頼むから早く部屋に帰らせておくれ・・・。

暖房借りて良かった。帰ってきて震えるところだった。

 

 

到着してすぐは、もちろんお風呂を入れました。やっとのお風呂。冷え切っていたので、ゆっくりマッサージをして、幸せを噛みしめる。

 

 

来て良かったな。

 

 

お風呂から出た後は、冷たいアップルジュースがおいしくて喜びながら、パソコンを出しました。

8月25日の夜にアップしたブログのトップページからの抜粋です。

 

 

「いやあ、来て良かった。明日、恥をかかないといいんだけど。とりあえず私がした大きな過ちは、ヨーロッパに住んでたくせになめてかかってフィンランドにコートを持ってこなかったこと。めっちゃ寒い。普通にみんなジャケットコート着てるし。ヒートテックは持ってきてるので、それを着こんででかけました。これはちょっと、何か厚手のものを買うかも。

知らない人ばっかりだけど、全然OKで。みんなすごい社交的だから、「やあ、君は新郎サイド?」みたいな感じで、自然に適当にしゃべり、誰としゃべったかさっぱり分かりません。社交レベルが違うので、非常に居心地がいい。そしてそして、国際人ばかりですが、イギリス人もおり、久々に聞く生粋のイギリス英語。

(部屋)ひっちゃかめっちゃかよ。今、夜11時半近く。もう寝ます。熱いお風呂に入ってマッサージ。疲れた後に思いっきり雨に打たれたままスーツケースを運んだため、余計に疲れた。ベッドに入りながら片づけもせずにこれを書いています。

だけど全然海外緊張感なし。元々あまりない人だけど、全くなし。車については、やっぱりフィンランドの運転はなんとなく興味なし。タクシー面白い。あ、まだ1ユーロもおろしていません。カードで払ってる。物価高い。早くバルトへ行きたい・・・。小さいジュース買おうとしたら、2.7ユーロぐらいだった(300円超えてるし)。

いやホント、来て良かった。すごい結婚式になるのかも」

 

というわけで、初の現地でのブログ更新を試みました。

そして、来て良かった来て良かったと何度も思いながら、ベッドで眠りにつくところでした。

 

 

長かった今日。やっとぐっすり眠れるよ。

 

 

前夜祭にて会った数人に、ブログに載せるけど写真を出していいかと聞いたけれど、みんなもちろんOKだった。誰もそんなこと気にしないよね。ここは日本ではない。あんなこと聞かずに、違う話をすれば良かった。もっと違うコミュニケーションにすれば良かった。でも、もうやっちゃったものは仕方がない。

 

 

だけど、1つ、ちょっとやっぱり気になることがありました。それは、1人で来たということが、自然だったのかどうかということ。

前夜祭で1人だと思って話かけた女性は、恋人と一緒に来ていました。やっぱり、パーティーは、大抵はパートナーが同伴するもの。

主催者を知っているか知らないかは、どうでもいいこと。呼ばれた人間が、連れて行くよと言えばそれで終わりです。そしてそれは、大抵が恋人か配偶者です。友達でもいいけど。

誰でもいいから連れてくるべきだったんだろうか。とはいえ、飛行機代に10万円かけて一緒に行きませんかとは言えないしな・・・。

だけど、遠いところから来たというのは、逆にいい言い訳にもなったかもしれない。そんなに遠くに、それも数十万円かけて、知らない人の結婚式に一緒に来てくれる人はそういない。

これは夜遊びパーティーではないので、出会いを求めてくるようなパーティーではないし、女性1人でも変な目では見られないだろうけれど、じゃあ、どんな風に見られるんだろうか。

海外には1人で行くというのが完全に当たり前である珍しい人間は、ただでさえ理解に苦しまれることがあるというのに。

もちろん誰も詳しくなんて聞かないだろうし、大して気にしてもいないだろうけれど、今度ばかりは本人が少し気にした。私本人が、ちょっと気にしたのだ。

明日の結婚式が終わって、パーティーが始まった後、立ち話している小さなグループがいくつもできるはず。偶数で話しているグループに入るのは気が引ける。だけど、1人で立っているのは不自然。

やっぱり社交が要求される日だ・・・。

ちゃんとしゃべれ・・・・。

現実に使う英語は、決して甘くはない。「英語しゃべれなくたって、海外に行っちゃおうよ」という人だけれど、旅行とコミュニケーションは全然違います。

自分が1人であるということを、語学と個性に頼ってカバーしなければいけない。周りは誰もそんなこと気にしないだろうけど、自分が気にする。

1人でどこへでも行くのに、それが通用しない場所を自分自身で作りたくはない。

誰かがいないと何かをやろうともしない人間になりたくはない。

そして、どんな心の揺れも、帰ったらちゃんと正直に旅行記に書こう。

 

 

明日はいよいよ結婚式。

4時からだから、昼過ぎまで寝てたって大丈夫。

疲れているから、ゆっくり寝よう。

明日起きたら、もうちょっと単語が出てくるようになっていますように・・・。

 

 

 

 

 

 

-フィンランド結婚式お呼ばれほんの3泊一人旅

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