3日目⑥「どうか配線でありますように」

早速空港へ

ナビを空港へセット。






渋滞がなければ、飛ばせば多分17時前には着くはず。もしもお兄ちゃんがいてすぐに車を直しに行けるのなら、修理工場が18時ぐらいまで営業していてくれたなら、今日中に修理が間に合って無事に旅行が続けられるかも。






特に渋滞の記憶がないので多分順調に空港付近に到着したと思うけど、途中で一か所寄りました。

空港間近になった時、三井アウトレットパークが見えたのです。行こうとは思っていたものの、このアウトレットは新しくてナビに登録されていなかったので、どうやって行こうかなと思っていた。丁度良かったので、アウトレットの駐車場付近まで行って、ナビのお気に入りに「現在地」として登録しておきました。

皆さんが行く頃にはナビにも登録されているかもしれませんが、空港の出発ゲートへ行く途中にとっても分かりやすく出没してくれるので、見落とさない限りはナビがなくても大丈夫だと思います。






さて、お気に入り登録のため1分ほど寄り道した後は、真っ直ぐ空港方面へ。






実は、借りた日には、「返却前に電話してね」みたいな感じだったので、レンタカーの返却場所を聞いていませんでした。

なので、とりあえず借りた場所へ行こうと思い、ターミナルの駐車場へ行ってみた。

ところが、出口しかなかった。外からは入れなかった。




1週回ってみたら、出口の手前に地下へ降りる入口があったけれど、従業員専用のようでした。

従業員専用でもいいやと思って地下へ入って行ったけど、バーがあり、駐車券を取ったら開くのかなと思いきや、駐車券をもらうのではなく、逆にこちらから社員証か何かを入れないと開かない仕組みになっていました。


一旦車から降りて、「誰か~」と叫んでみたけれど、明らかに誰もいなかった。

仕方がなく今降りてきた入口までの道をバックで堂々と戻ることにしました(真似しないで下さい)。






地上へバックのまま出たら、後ろから車がきました。私がバックしているので停まっていてくれたので、丁度いいからそのまま車を寄せて停め、降りてその待っている車のドライバーさんに入口を聞きに行きました。






全然説明が分からなかったけど、一般の入口は裏側のような説明だった気もしないでもなかったので、もう1週することに。

来る時に、「何だろうこの道?」と思ったところがあったので、あれではないかと思って。






そして、やはりそれだったらしいので、今度は無事に駐車場に入ることができました。






逃がさないし

レンタカーを借りた時と同じ場所が空いていたので、そこに駐車。




この写真、何で撮ったか忘れたけれど、時間が分かるようにだったかな。16時36分でした。この時撮ったかどうか定かじゃないけど、時間からして到着して駐車した時だと思う。

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さて、到着した私、降りて行かず、先にお兄ちゃんに電話をしてみた。






ぷるるるるるるるるるるる






シーン






やっぱり出ないよね。

甘いよ。






そして、車から降り、事務所へ直行。






ノックをするなり、返事も聞かずにドアを開けた。






お兄ちゃん、椅子に座って携帯で電話中だったけれど、私の姿を見てびっくり仰天して即座に起立。




部屋の中をウロウロしながら電話を続ける。

私は椅子に座って彼が電話を切るのを待つ。






数分後、電話を切ったお兄ちゃんが話し始めた。






お兄ちゃん 「いやあ、参っちゃうなぁもう、今日は忙しくって・・・」






うるさいよ。






 「メンテナンスから電話なんてこないよ」

お兄ちゃん 「え!?なんで、そ、そんなはずはないよ。おかしいな。かけないなんてそんな・・・」






多分メンテに電話なんてしていないよね。






 「車持ってきたから、即座に直して。修理工に持って行って」






そして、車をチェックするために駐車場へ移動しました。






お兄ちゃん、クラクションが鳴らないことを確認した後、ボンネットの方へ行って何やら下をいじりだした。

あんなところにヒューズがあるわけじゃないだろうし、あの車のホーンはあそこにあったのだろうか。でも、下に手を入れていたけれど、手を入れて分かるようなものなのか。まさか自分で直そうと思っていたわけじゃないだろうし。






配線だと思い込んでいる(願っている)私は、まずカチカチが正常なことを告げようと思ったけれど、カチカチの英語が分からない。






どうしようか。






単語が分からないことなんて、しょっちゅうあります。でも、そこで、「〇〇って何ていうの?××するやつ」という説明を英語でできれば別に困りません。相手が連想して教えてくれるので。だけど、私はカチカチを見たこともなかったので構造も分からず、具体的な表現すらできなかった。

仕方がないので、勝手に呼び名を決めた。

その表現として一番ふさわしいであろう、「音」を利用して「Click」と呼ぶことにした。あのカチカチがマウスのクリック音に似ていたので、それでどうかなということで。クリックは名詞にも動詞にもなるので、とりあえず動詞扱いして、お兄ちゃんを運転席のところまで呼んで説明を始めた。






 「クリックはするんだよね(It does click)、だけど、クラクションが鳴らないの。だからハンドル部分じゃなくて、配線だと思うんだけど」






お兄ちゃんは、「う~ん」みたいな返事をして、再びボンネットに戻りました。

彼が何をしたってムダで、これは絶対に、素手で直せるようなものではないはず。絶対に工具ぐらいは必要。状況によっては、車を持ち上げられるなら尚いいと思う。

だからもう、こんな所でお兄ちゃんと車を見ていてもしょうがない。






 「ねえ、メンテナンスどうしたの?修理工知らないの?この車、必ず今日直してほしいんだけど。車いるんだから。絶対配線だから、すぐ修理屋に持って行って直して」






お兄ちゃん、しぶしぶとどこかへ電話。英語ではないので分からなかったけれど、修理工場だったはず。そして、すぐにどこかへ行くことになりました。






 「近いのそこ?」

お兄ちゃん 「近い近い。すぐそこだよ」

 「本当でしょうね。配線ならすぐに直して、ものの1時間ぐらいで済む仕事だと思うんだけど。絶対にこの車、夜までに直してもらいますからね」

お兄ちゃん 「大丈夫だよ。すぐそこだし、1時間で直せるって言ってるから」






誰だか知らないが、まだ車も見ていないのに何を根拠に1時間で直せると言い切ったのだ。






ここで、自分の車で別に行って私に着いてくるように指示した彼を止め、私の車を運転して一緒に行ってもらうことにしました。整備不良の車で捕まって罰金を払わされるのは私だろうし、道が分からないのに又逃げられたら嫌だし。






メデューサとドライブで修理工場へ

そして、彼を運転席に乗せ、シラけた短いドライブの始まり。

私の返事は、メデューサ(蛇女)のような冷たさであることを想像しながら読んで下さい。






お兄ちゃん 「いやあ、今日は忙しくってさ、何組も予約が入ってて。参っちゃったなぁホント・・・」

 「それが仕事でしょ」




正論である。




お兄ちゃん 「そうなんだけど・・・。ド、ドイツ人の旅行者から予約入ってて、車のタイプが違うから交換してって言ってさ・・・・」

(略)

 「それで、交換したの?」

お兄ちゃん 「うん、仕方ないから交換したんだ」

 「じゃあいいんじゃない」




氷のようである。






お兄ちゃん 「・・・そ、そうだよね。だけど、他にもお客さんいて、今日はいっぱいで・・」

 「だから、それが仕事でしょ」

お兄ちゃん 「う、うん・・・」

 「仕事ってのは、毎日のことでしょ。私、今何してるか分かる?人生のうちで、一生のうちでたった7日しかない時を過ごしてるのよ。久々の海外休暇でね」

お兄ちゃん 「そうだよね・・・。7日しかないんだものね・・・」






もはや怖くてしょうがない。






 「それで、その貴重な時間の一部をこの故障車のために費やしてるんだけど。あなたがまともな車を貸してくれさえいたら、この無駄な時間はなかったの」

お兄ちゃん 「そうだよね・・・」






さぞかし早く着いてくれと思っていたに違いないけれど、そう思わずとも近いのですぐ着いてしまった。

この時はどこに行っていたか知らなかったけれど、旅行記を書くためにグーグルマップで探してみたら、発見しました。






到着した修理工場の男の子とお兄ちゃんは知り合いだったらしいのですが、その修理工の彼のほうはほとんど英語がわからないようでした。

なので、再びカチカチの説明をしたけれど、「カチカチは鳴るんだよ」と適当な英語を使う私の話を、お兄ちゃんがマレー語に訳して修理工君に説明してくれた。




そして、何としてでも配線を先に見て欲しかった私は、絶対に「ケーブル」だと思うとも主張。

だけど、「ケーブル」は間違いです。正しくは、「ワイヤー」なはずです。私はこの、ケーブル&ワイヤーをいつもごちゃまぜにし、必ずケーブルと言ってしまい、今でも直らない。何となく通じてしまうからいいけれど。

そして、この時も通じ、何とか私の言いたいことは伝わったようでした。






もちろん配線なんてただの勘だったけれど、それを一番先に見て欲しかった。ハンドルをはずして・・・なんてやっていたら、1時間では済まないと思ったから。

私の中でのタイムリミットは、1時間でした。それでダメなら何とかしてトレーダーズホテルへスーツケースを持って移動したほうがいいだろうと思っていた。待ち時間がもったいないし、夜になったら移動がもっと難しくなるかもしれないから。




何の会話をしていたか知らないけれど、1時間で何とかするとのことでした。車をまだ見ていないのに何で1時間と言い切るのかやっぱり分からなかったけれど、何が何だか分からないまま1時間ということで交渉成立。






そして、私とお兄ちゃんは、数軒先のカフェへ移動。


カフェというか、レストランかな。

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お兄ちゃん、「何飲む?僕がごちそうするよ」と言うので、フレッシュリンゴジュースを注文。マレーシアで二杯目のフレッシュリンゴジュース。

「この国ではこのジュースはやめたほうがいいかもしれない」と思ってきた頃。すっぱすぎる。

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ここでお兄ちゃん、「仕事があるから」と言って帰ろうとしました。私は、1時間しか待たず、それ以上かかるようなら電話するからねと言い、続けて、







「電話に出なさいよ」







と、メデューサとして一言追加。






そして、超ローカルなさっぱり分からない場所でボーッとして外国人一人待つことに。






スラム街だった気はしないけど、絶対に観光客の行くようなところではなさそうだった。

Wi-Fiと書いてあったので、お店の人にパスワードを聞いてみたけれど、何を言っているか全然分からなかったので、イギリスのスマホを差し出して直接パスワードを入力してもらいました。

だけど、全然ネットはつながらなかった。






諦めて、再びボーッとする私。






知らない場所なので面白いといえば面白いけれど、

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どうするのだここで・・・。

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退屈なので、外に出てみた。写真はないけれど。

出てすぐにチャイニーズレストランがあって、何となくそこで食事をしようかなとも思ったけれど、まだ時間も早かったからやめました。






外にいてもあまり面白そうじゃないなと思い、レストランみたいなところへ戻ってトイレを借りることにした。






やっぱりびしゃびしゃだったけど、

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それ以前の問題で、紙がなかったので、車にマイペーパーを取りに行きました。すっぱいリンゴジュースだけでなく、だんだんと、びしゃびしゃっぷりにも慣れてきた。こういうものなのだろうと思って。






そして、トイレを済ませた後、車へ又戻ってみた。左の黒い車が私のレンタカー。

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「どう?終わりそう?」と聞いてみたら、「終わったよ」とのこと。

終わったのならなぜ教えてくれなかったのだろうと思いながらも原因を聞いてみたら、やはりワイヤーだそうだった。




「ワイヤーが切れていたの?」と聞いたけれど、「ワイヤー」という英単語は言えても詳細を英語で話すことは難しかったので、マレー語とジェスチャーでしか返答がこなかった。なので私も良く分からないけれど、何となく、ワイヤーがずれていたというような感じのジェスチャーだったと思う。






時刻は17時半ぐらい。クラクションが鳴ることをその場で確認し、「レンタカー屋のお兄ちゃんに電話しておいてね」と彼に頼んで出発することにした。






というわけで、バンバン叩いてから2時間強を費やしただけで、何とか軌道修正し、本来の旅行へと戻ることができました。




ああ良かった、本当に配線で。

ただの勘もたまには当たる。






さ、気を取り直して、もう今日はショッピングで気晴らししようか。

と期待して、アウトレットへ。


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-マレーシアレンタカー運転一人旅

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