トラベルドライバー、蝶園へ行く

マレーシアで蝶園へ行き、飛び舞う蝶に怯えながらも生まれて初めて蝶々の写真を撮ったはいいけれど、結局ピントが合っているものはほとんどなく、いつかどこかで練習しようと思っていました。




日本でどこかあるかなと思って調べたら、多摩動物公園に蝶園がありました。いつか行こうと思っていたところ、丁度いい日がきたので、ある水曜日、お出かけの予定を計画。

そして、読者の良く知る「じゅんこ的パターン」により、当日は素晴らしい雨。でも想定内。蝶園は温室なので、屋根があるのです。カメラは濡らさずに済むのです。だから行けるのです。




でもやはりそれほど甘くはなく、多摩動物公園は水曜日がお休みでした。あんなに大きい公園が毎週休むとは思わなかったので、調べてもいなかった。しかも、水曜日が休みって何なの。何で月曜日じゃないの・・・。




ところが、わたくしもこのパターンに慣れており、成長してきましたので、今回は、バックアッププランを用意してありました。「もう1つ蝶園があったから単純にそちらへ行ったまで」というプランです。




足立区にあった蝶園です。多分、多摩動物公園の蝶園のほうが大きいと思うけど、距離はこっちのほうが近かったと思う。




到着後、すぐ横にあったタイムズに停めて、トラベルドライバーな格好だったので猫っ毛の髪がボワボワになることなど全く気にせず、傘もささずに濡れながら歩いて行き、後で鏡を見て驚いた私の蝶園出張の始まりです。






入園

入るなり、「わたくし、もう大分育っていますが、まだ300円でいいでしょうか」と不安にさせた自動発券機。






小銭をチャリンチャリン入れてチケットを買うと、蝶々のいる温室へまっしぐら。マレーシア同様の湿気感だった。

そうだろうと思ってRMKのリキッドファンデをつけていたけど、今回はパウダーが悪かったからか、効果がなかった。




さて、入ってすぐズームレンズをつけて、よし、蝶々の練習開始。






まず、こんなのを見て、「あら、懐かしい」。アサギマダラですね。マレーシアにもいっぱいいたよ。






アサギマダラをしばらく撮っていたけれど、面白くないなと思って下を見たら、エサ場があった。






見せ物にするためにエサを置いておびきよせたような気がするので、不自然だから興味が湧かない。




だから他の蝶々を撮ろうと思って探していたけど、何だかフォーカスがおかしい。オートが全然合わない。

色々やってみたけれどダメだったので、マニュアルで撮ろうかと思ったけれど、動くものをマニュアルで撮っていたらピント合わせで1日終わるなと思い、とりあえず今日のところはズームは諦めてレンズを交換することにしました。

本当に故障したかどうかはまだ分からなかったけど、カメラにこられるのは、じゅんこ的パターンの中でも最悪レベルだ。




では、ズームレンズについては今度キャノンへ持って行くことにして、今は50ミリの単焦点へ変更しておこう。だって、それしかなかったのだもの。単焦点を2本持って行っていただけで、もう1つは24ミリだったし、いくらなんでも24ミリでいいほどまでには近づけないだろうから、仕方がないよね。






でも、50ミリでも、どのぐらい近寄れるのかが問題。






と思ったけど、上のアサギマダラとこのオオゴマダラは、停止していることが多いのです。






だから、ゆっくりと近寄れば、50ミリでも撮りやすい。そういえば、マレーシアでもそうだった。この2種は、暴れ加減が違ったと思う。この子たち、静止が好きなのかも。




しかも、数が多いのよ。この小さな温室でも、見かけるのはほとんどこの2種類だった。数も多いし静止も長いから、結局何となく撮ってしまう。






後ろ姿でも、






何となくぶら下がってても。






おまけに、人間慣れ度も高い。マレーシアの蝶園の蝶々だって、いくら何でもすごく近寄った時は逃げたけど、このマダラ達は、すぐには逃げないのだ。






そうなると、どうでもいい気もしてくる。






ドーン。






パカッ。






「全然撮る気ないでしょう」みたいな感じになってきたな。人間慣れしていると、撮られるためにいる子たちな気がして、撮る気がなくなって行くよ。

だけどさ、人間の方も慣れるよね。マレーシアではあんなにヒャっとかキャッとか悲鳴あげながら避けていたのに、ここでは全然避けなかった。手を出してみたりした。とまってくれるかなと思って。アレルギーだと困るからすぐにひっこめたけど。






黒いアゲハもいたけれど、






黒い蝶々を撮ってもあまり綺麗な写真は期待できないということは前回のマレーシアで良く分かったので、あまり興味もなし。






蝶々の黒は発色が悪いと思うのよ。






ちっちゃいのを発見した。目玉付の蝶々だ。これもマレーシアにいたな。逃げないどころか、この子は私が帰る時もまだこの手すりにいました。動かなくても太らない体質。






そんでやっぱり、どこへ行ってもマダラで。






動かないマダラで。






たまに黒いが、






マダラはちゃんと待っている。






超ズームで撮って蝶撮りの練習をしたかった私としては、50ミリ短焦点にした時点でもう練習の気力も失せていたのだけれど、蝶々の量は多かったものの、実際に見える範囲に飛んでいる蝶の種類の少なさにもちょっとがっかりしていた。






本来、このぐらいいるらしいのだけど。






たった一度、ちょっと変わったこの子を見ました。アゲハの種だと思う。






4人兄弟。いつまでも仲良く。






やはり、私にとって蝶々は、鳥には絶対にかなわないのだ。私、鳥の方がいいや。いつかまた、綺麗な鳥を探しに行こう。






ケニアでこの子を撮り逃がしたことは、本当に残念。






あの頃はまだ、鳥が好きなことも知らなかったし、こんなに綺麗な鳥がいることも知らなかった。知っていたら、この鳥を探すことにも集中できたのに。そして、二回見つけたのだから、意地でもちゃんと写真を撮ってくるべきだった。あの時は、まだ何の鳥かも知らなかった。

いずれこの子を撮りに再びアフリカへ行くか、他の綺麗な色の鳥を探しに違う国へ行って、放浪の旅をするのもいいよね。将来の私に、そのような自由があったのなら。

蝶でもいいけど、やっぱり、鳥とはスケールが違うんだよ。






自由を捧げるのだとすれば

そんな時、目を引いた蝶が。






絞り優先で撮っているので飛んでいられるとちゃんと撮れないけど、止まってくれない。






飛んで飛んで飛んで飛んで、全然止まってくれない。






どこに行きたいのかさっぱりわからない。






止まらないけど、そんなわけはない。






ずっと飛んでいるはずがない。






必ずいつか止まるはず。






走り続けられる生き物などいない。






問題は、相手が見失ってしまうかもしれないということ。走り続けるものを追うことは、難しいから。






だから私も、追う。






止まらないのは、止まれる場所を探しているから。止まる場所がなければ、止まりたくても止まれない。だから、見つかれば、必ず止まるはず。




だけど、見つかっても、止まっただけで、留まらないかもしれない。




止まる場所と留まれる場所が同じとは限らない。






でも、留まるためには止まるはず。






この辺はどうかと迷いながら、






ここでいいのかしらと思いながら、






自分を受け入れてくれるのかと、ちょっと止まってみたり。






そして、少しだけ、羽も広げてみたり。






だけど、止まっただけで、留まることは選ばなかった。






お陰で私は、この子を数十分追い続けることになってしまった。






だけど、結局留まってくれなかった。止まる時間が短すぎて、写真もちゃんと撮れなかった。




目的地まで5時間運転したが、到着して10分もしないうちに出発してしまうようなもの。気持ちは分かる。






飛ぶことを止めるに値するほどのものでなければ、あちこちに止まることがあっても、留まることは許さない。




留まる場所は、止まる場所よりも重たい。




だけど、止まらなければ、留まれない。




止まっている時は、飛んでいない。

飛ぶ準備しかできない。

留まっている時は、飛ぶことすら考えない。

準備の必要もない。






自分の意思で飛ぶものは、エサに釣られて留まることはない。






飛ぶのを止めて留まるのなら、その目的は、特定の誰かや何かのためでは小さい。

留まるのであれば、その目的は、もっと大きく、ある意味、抽象的でなければいけない。






飛ぶことは自分のためだったとしても、留まるのは、自分以外のもののためでなくてはいけない。

自分のために留まれるのであれば、飛び続けてなどいない。






そして、留まることを選んだのなら、今までのように飛んで行くつもりはないと、その証として、自らの羽を、1枚か2枚、ちぎって見せるかもしれない。

最後の最後まで、「飛びながら留まる」ことを望んだ後に。











結局大して蝶々など撮れず、ズームレンズが故障していることに気が付くために行ったようなものでした。だけど、久々にトラドラな落ち着く格好だった。頭がぐしゃぐしゃだったけど。






来年の今頃には、明らかになっているかもしれません。又来年にでも来てみて下さい。






ちぎった羽が、1枚だったか、2枚だったか。

それとも、ちぎらなかったのか。











この蝶が。



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