5日目③ 「カレンミランより美しい」




ついに買い物

ああ、愛しのカレンミラン。店舗に入るのは5年振りかな。バルト以来だ。

今ではもう店舗はなくなってしまって、オンライン販売だけになって、それなのに、こんなところで世界で一軒だけ残されたカレンミラン店舗に出会うなんて。




全部買い占めたいぐらいだ。






サイズが合うものが少ないからそうもいかないけれど。






私のサイズは、カレンミランのドレスだと一番小さい6なのだ。小さすぎてあまり売れないようで、店舗では8からしか置いていないところが多くて、唯一残されたこの店舗でも、最小サイズは8だった。






多少太ったかもしれないから、サイズ8でもいいかも。






だけど、サイズ8でも数は少なかった。

その数少ないサイズ8の中で試着したいかなと思ったのは、黒のドレスと、オレンジのドレスと、オレンジのブラウス。

そういうわけで、その3着を持って試着室に入った。






ちゃきちゃき服を脱ぎ、買ったばかりの赤いブラジャーをつけて、何て合わない上にちくちくするのだろうと驚き、まあいいやと気にしないことにして、そのままドレスを試着してみた。






うーん。サイズ8でも、きもーち大きい。太ったつもりだったけど、そうでもなかった。しかも、多少長い。




黒いドレスは、全然丈が合っていなかったのでやめた。

オレンジのドレスもちょっと長いし多少大きかったし売れ残り過ぎていて首元にアイロンをかけないといけないなと思ったけれど、やっぱり鮮やかなので、これは買っておいたほうがいいと思った。






一番いい感じだと思ったのは、オレンジのブラウスだった。カレンミランは、ドレスは8だと大きいけれど、ドレス以外は8だときついものもあるぐらいなのだ。変だけど、これがカレンミランだと思う。ドレスを着た時にスタイルが良く見えるようにできているはず。

このブラウスは、これにタイトスカートを履いただけで、ドレスじゃなくても大人パーティーに行けるレベルだったのだ。いかにも西洋風で、素材も高そうだったし、落ち着いた感じでいいと思った。

唯一の問題は、少し開いている背中の部分がほつれていたこと。糸が崩れていた。






女の子がどうですかと聞いてきたので、これ、ほつれてるんだよねと言って見せた。

通常、イギリスのカレンミランでは、こういう時、10%オフを申し出てくれる。最高で20%ぐらいオフになるかも。

私もそのつもりで聞いたのだけれど、「縫います」と言われてしまった・・・。






それってありなのかなと一瞬考えたけれど、イギリスの本場カレンミランじゃないし、まあ、ありなのだろうなと思った。売上を減らすぐらいなら自分のところで縫うのかなと。

だけど、一度でも針を入れたら、それはもう新品ではないのだ。しかも、カレンミランの工場でやるのならともかく、全然関係ないショッピングセンターの人が縫って完全アウトレット商品にしてしまうわけだ。20%オフでも足りないぐらいの話だ。

カレンミランのドレスにその辺の人が手を入れるなんて・・・。






だけど、もう店舗ないし。ここしかないし。ここの服、見るからに前の売れ残りを売っているから、これ、もうオンラインでも買えない服だろうし。

カレンミランなんだから、妥協するしかないよね。私にとってそれほどのブランドだもの。






でも、あんまり待たされるのも嫌だし、どのぐらいでできるのと彼女に聞いたら、「10分」と言われた。絶対無理だと分かったし、もし本当に10分でやったのなら相当のやっつけ仕事なので適当な可能性もあるから危ないなと思ったけれど、待ってみることにして、2着の洋服の会計を済ませた。

そして、レジの横に椅子があったので、座って待っていた。






・・・・・。






・・・・・。






・・・・・。






・・・・・。











私 「あのさ、10分ていうか、もう15分ぐらいたったんだけど、まだかな」

女の子1 「あと1分」











でたよね「1分」








彼女から聞いたのは初めてだったけど、私はもうエジプトで何度も聞いていたので、もっと疲れてきた。

そして、更に10分待ってもできあがらなかった。

一体どこに持って行き誰が縫っているのか。






そこへもう一人女の子が来て、というか、前からいたのかもしれないけれど、もうすぐできるからと言われた。

しょうがないから待っていた。










そして出来上がったものは

想像、つかないでもなかった。でも、頼んでみないと分からないし。上手な人がいるかもしれないし。






だけど私は、出来上がりを見て、怒った。






私 「これ、プロが縫ったの?素人作業じゃないこれじゃ」

女の子 「縫製の担当の人で、プロです」

私 「こんなの、カレンミランの服じゃないよ。素人じゃないかもしれないけどね、ちょこっとミシンか手縫いか知らないけれど、カレンミランの服をうまく縫えると思っているのなら、大きな間違いだと思うよ」




そして続けた。




私 「あなた方はカレンミランを知らないだろうけど、カレンミランならディスカウントするのが普通なはずなの。ブランドの名前がかかっているし、適当に縫うような仕事はしないと思う。ディスカウントすればいいじゃない。何で縫おうとしたの。どうしてできもしないことをやろうとしたの。これなら日本に持って帰ってお金をかけて縫ったほうが良かったと思うよ」




と、結構強く言ったのだ。女の子は全部で3人おり、1人はあまり英語が分からなかったけど、私が怒っていたのもその理由も分かったと思う。






そしたらみんな、「I am sorry」と謝った。






そして、返品しようかと聞くわけ。






私 「どうキャンセルになるか分からないけど、うまくいかないと、同額返金にはならないの。カード払いをするということは、支払い後に返金処理をすると、キャンセルできずに払い戻しとなれば、同額ではなくなるんだ。為替の買いのレートと売りのレートが違うからね。だから、できないのなら、ちゃんと縫えないのなら支払う前に言うべきでしょう」






イギリスでもキャンセルのための売り買いで損をしたことが何度かあった。私がお店の間違いを指摘してキャンセルされても、差額があるため、私がそれを支払うかたちになるのだ。私は何もしていないのに、為替差益損分を私が払う事になる。すぐだったし、おそらく大丈夫だっただろうけど、金金金で毎日嫌になっていたから、「売るためか」とふと思ってしまった。できないならできないって、カレンミランを縫えるほどの縫製スタッフがいないなら、「できあがりの品質の保証は致しかねます」とか、一応言っておくべきじゃない。ジーンズの丈詰めじゃないんだよ。ブラウスの、開いた背中の部分の下だからね。目立つんだ。






そして私は、もうそれでいいから二度とできないことをできるなんて言っちゃダメだよと言って店を出た。











I am sorry.

店に入ったのは19時。出たのは20時20分。






店を出て、どこを歩いたか記憶にないけれど、エスカレーターがあったのでそれに乗った。降りたか昇ったかもわからない。










頭の中で、「I am sorry」が響いていた。








彼女たち、謝ったのだ。






日本では、謝れない人間がどんどん増えていると思う。

謝れないのは、弱さの証拠。






詐欺師やペテン師や浮気男のような、口から出まかせばかり言って、謝罪する気もないのに「ごめんなさい」を連発する人間はいる。本気で謝罪をするのなら、二度と同じ過ちはしない。一度浮気する人間は必ず又やる。詐欺師やたかりも一度ではすまない。もう一度やるために謝っているだけだ。今許してもらい、将来元気に又相手を裏切るために、又浮気をするために、又嘘をつくために、又お金をだまし取るために、とりあえず謝っておくだけだ。悪いなどとは1ミリも思っていない。痛む心もない人間だから、何度も騙す。その度に嘘で謝り取り繕う。嘘に嘘を重ねていく。






仕事なら上辺だけでも謝れるはずなのに、辛うじて何とか謝れてもメールでしか謝れない人も多い。直接相手に面と向かって謝る度胸はないのだ。コールセンターでも、しゃべるのが仕事なのに、顔など見えていないのに、間違えて責められても謝れずにただ黙っていたりする。電話中に黙られても困るのに。

仕事でも謝れないならプライベートで謝れるわけもなく、それなのに、自分が謝る必要がないという理由で謝罪ができないことを正当化する。

ちょっとぶつかって、「あ、すいません」とか、そんな事しか言えない人間ばかりだ。






けれど、彼女たちは、謝った。






人は私にゴキブリ化する。一部の限られた人間以外は、会った瞬間はおろか会う前から私を軽んじてバカにした態度をとる。一部の人間ですら、時がたつにつれて変わっていく。人の優しさにつけこむとはそういうことだ。クラスでいつも笑っている子をいじめて虐待しだすのがいい例。少し言って何も反論されなければ、どんどんつけあがり、そのうち自分の奴隷のように扱い、虐待して喜ぶ。

私がちょと仕事を頼んだだけでも、こいつは後回しでいい、こいつには適当な仕事でいい、こいつは相手にしなくていいと、低知能がさらに低レベルの仕事をするようになる。本来相手を公平に扱わなければいけない公務員でも、私相手だとまともな仕事をしない確率が高い。犯罪を摘発しなければいけない検事も私の事件を放ったらかしで散歩に出て証拠も見ずに放っておくし、捜査をしなければいけない警察は自分で捜査しろと言って私にやらせたあげく私を監禁して喜びそれすら揉み消し、挙句の果てにはみんな私が悪いことになる。いつもいつも、私が悪いからこうなるのだという言い訳で自分が謝る事から逃げるのだ。何をしても私が悪く、私に謝る人間なんてほぼいない。当たりが柔らかいと、サディスト心の強い弱い人間である日本人は、虐待したくなってくる。相手をバカにし、尊敬の意を忘れ、悪いのはあいつだと笑う。

私はもう、そんなクズに我慢するような事はしていない。「やらなきゃやられる」と警察が良く教えてくれた。クズどもが教えてくれた。私がやらないと又他の人にも同じようにするだろうし、はっきりと言ってやったほうがいいのだ。だから、文書を出す。それは、「苦情」という名前かもしれないし、「訴状」として正式に訴えを起こしているかもしれない。どんな名前のものであれ、文書で出すのだ。なぜなら、頭が悪いから、言っても分からないので。どんなに脳レベルが低く心が汚いゴキブリでも、書かれたものを読むと好きに読み返せるので理解ができる。しかも、書いてあることが正しい。批判にスキがない。だからもう虐待扱いをしてこない。人を利用して喜ぶようなことも、相手を尊重せず自分勝手に振舞うこともしてこない。少なくともしばらくは、私以外の人に対するいじめもやめるだろうし、偉そうにすることもできないと思う。






二代目だったから、ゴキブリどもに、数万回となく謝って生きてきた。ゴキブリのくせに、謝れ謝れと、自分ができないことを私たちに強いてくるのだ。ちょっと名前の漢字を間違えたとか、そんな事でも謝りに行け、謝罪の電話を入れろと始まる。死ぬほど下らないことで謝れと始まる。だけど、ゴキブリ人間のほうは、一度たりとも謝らなかった。

そんなクズに囲まれて長い間生きてしまった。

ゴキブリどもが謝れるような人間だったなら、私の人生も違ったと思う。











凡人が一番恐ろしい。遅かれ早かれゴキブリ化されることを分かって付き合うこともあるけれど、私はもう、基本的に人付き合いをやめている。限られた人にしか自分から連絡をしない。そうすることで、人生が楽になった。

だけど、自分は変えていない。間違ったら謝る。例え相手がゴキブリでも、謝る。










そしてここは、そんな日本ではなく、彼女たちは、ゴキブリでもない。











彼女たちは、ゴキブリが一人もできないであろうことを、いとも簡単に、何度もできるのだ。

「I am sorry」と、「謝る」ということを。






何て美しい女の子たちだろう。






それに比べて、お前は何か。






あれは、カレンミランの服だ。その辺の服じゃない。私が人生で一番惚れ込んだブランドの洋服だ。そして、もう店舗では買えないのだ。手に取って買える場所がないのだ。本当は、どのみち買ったはずじゃないか。多少ほころんでいたって、買っただろうに。




もちろん、そういう問題ではないのだ。私の商品を一部ダメにしたことになるのだから、いいわけじゃない。

だけどここはエジプトだ。このショッピングセンターだけが異次元なのだ。外へ行けば、ほころびどころか埃だらけのものまで売っているはず。縫製のレベルが低い事は予想されたんだ。

それなのに、「日本で直したほうがよかった」とか、金持ち国から来た脳無しセレブ国民みたいじゃないか。日本がどうしたっていうのだ。気の弱い謝れもしない人間だらけの国だぞ。

それに引き換え、彼女たちは、3人とも謝ったぞ。確率的に、100%じゃないか。日本人が3人いても、謝れる人間が入っている確率はまずゼロだぞ。






私は謝れるし、謝るべきかそうでないかの判断もできる。

そして今回は、謝るべき時だ。






あんなに怒らなくても良かった。日本に行けばちゃんと縫えたとか、そんな話も余分だった。

私は、ずっと殺気立っていた。タクシーに乗った時から。またぼられるんではないか、又エジプトにしかない癌になった母親のため金をくれと言われるのではないかとか、ちょっと信号が長かったからとか渋滞したからとか言ってもっと金をくれと言われるのではないかとか、ずっと身構えており、アドレナリンが上っていた。

やっぱりもう、こんな国は出たほうがいい。タイ行きを予約したのは正解だった。こんなに毎日殺気立つのなら、余計な被害が増えるだけだ。怒らなくていいところまで過剰に反応しちゃったじゃないか。あんなに血の通った、心のある、愛情あふれる女の子たちなのに。






二度とこない国だ。黙って出ればそれはそれでおしまいだ。

だけど、二度と来ないという事は、二度と彼女たちに会えないということだ。

謝る機会も二度とないと言うことだ。






誰にも言わなければ誰も分からない。だけど私は、そういう生き方をしない。誰にも分からなくても、ご先祖様や、いるのなら神様も見ている。言わなきゃ分からないとか、そういう事で逃げるのは、ゴキブリ人間のやることだ。クズのやることだ。

私のやる事ではない。









今戻って謝らなければ、彼女たちにとっては一生不愉快な思い出となる。私も一生忘れられない。











たった一言ごめんねと心から言えたのであれば相手の人生が違うかもしれない。私の人生がきっと違ったように。











今戻って謝れないのなら、お前もゴキブリ。

あの、私をバカにし、侮辱し、利用し、痛めつけて喜んだゴキブリどもと同じ。

あそこまで落ちぶれたクズになれるのか。















死んでも嫌だし。











戻ろう。

彼女たちに謝りに、カレンミランへ戻ろう。











何かあったらその場で処理しろ

というのが、私の旅行のルール。これは、私に災いがあった時だけのルールではなく、私が災いだった場合も同じなのだ。




内容がなんであれ、もう二度とない機会を逃してはいけない。明日まだ1日エジプトにいるけれど、明日はきっと違う人がお店に出ているはず。今でなければダメなのだ。

その時にしかできない事は、その時にしかできないのだ。後になってできるのは、「言い訳」だけだ。






「I am sorry」が頭でぐるぐる回っている中、考えながら歩いていたため、どこをどう歩いたか全然分からず、戻ろうにも、何だかわからなくなってしまった。






どっちに行ったらカレンミランへ戻れるのだろう。






こんなところ、通っただろうか。






いや、参ったな。すぐ戻らないと、3人揃ってないかも。

ああどうしよう。






こんなポールを見た記憶はないな。






どうしようどうしよう。

どうぞ、早く私をカレンミランへ持って行って。

どうか誰か私を引きずって行ってちょうだい。











思い出を変えられるのは今しかないから

何で着いたのかさっぱり分からないけど、着いた。

見つけられないまま閉店になったらどうしようかと思った。






店に入ると、まだ3人いたので安心した。良かった。3人全員に謝れる。

全員が聞き取れるよう、ゆっくりしゃべろう。






私 「ハロー。私、さっき、ドレスとブラウスを買ったんだけど、あのね、謝ろうと思って、戻ってきたんだ」






と言って始めたら、すぐに応答がきた。






女の子 「NO!謝るのは私たちのほうよ」






この即答で、又1本とられたと思った。彼女たちは、私に、何を謝るのかの説明すらさせなかった。ただ、私たちが悪いからと、みんなでそう言って、私がしゃべる間がなかった。「謝ろうと思って」と言ったら、たいがいの人は、何を言うのだろうと思って聞く態勢に入ると思う。だけど彼女たちは、聞こうともしなかった。

内容などどうでも良かったのだ。とにもかくにも、謝るのなら自分たちだろうと3人一致で思っていたのだ。






謝ることも普通の日本人にはできないほどの事だけど、相手の謝罪をとんでもないと跳ね返す強さも弱い日本人には欠如していると思う。






少し落ち着いたところで、私が話せそうなタイミングができた。






私 「あのね、私、どのみちあの服、買ったんだよ。カレンミランだもの。もうお店ないわけだし、直接手に取って買える機会はないわけだし、どうせ買ったんだ。カレンミランが縫ってくれているわけじゃないことは分かってるんだから、あんなに怒る事なかったんだよ。言い過ぎたんだ。ごめんね。日本なら違うとか、超感じ悪いよね。日本が何様だって感じだよね」






そして、嫌になってきていた説明をした。






私 「エジプト、着いたばかりだったんだよ。だけど、予想を超えるひどさでさ、女性たちは全員素晴らしいんだけど、悪いけど、男はどうしようもないと思うんだよね」

女の子 「男にも、いいのもいるよ」

私 「もちろんどこかにはいるんだろうけど、私が見たのは、とてもレベルが低いのばかりだったんだろうけど、金金うるさいし、仕事人間として対応が悪すぎるんだよね。お釣りが正しいかどうか確かめないといけないし、タクシーに乗っても苛立って、ホテルもめちゃくちゃ、ピラミッドに行けばうんこだらけだし、何もかもが合わなくて、疲れたんだよね。だから、着いてすぐ、違う国へ行くと決めて、あさってエジプトを出るんだ。あなたたちが、ディスカウントではなく縫製を選んだことを不自然に思ったんだ。ディスカウントしたくないだけなのだろうかって。お金のためなのではないかって。だけど、すぐ我に返ったんだ。申し訳ないけど、この国はひどいと思うし、二度とこないと思うけど、女性たちは最高レベルだって。それなのに、どうしてあんなに怒ったんだろうって」

女の子 「私たちが悪いんだから、いいのよ」

私 「今謝りに行かないと二度と戻れないから、何としてでも今日の今謝らないといけないと思ったんだ。そうじゃないと、私、一生自分を許さないだろうし、あなたたちも、嫌な記憶として残っちゃうから。思い出を変えられるのは、今しかないから」






私が謝りに戻らなければ、彼女たちは、家に帰っても、仕事どうだったとお母さんに聞かれたら、「ちょっと嫌な事があったけど」と言うのだと思う。ところが、私が戻って謝ったことで、「ちょっと面白いことがあったよ」と言えると思う。思い出が、変わると思う。

だからみんなそうやって生きればいいのに、薄汚いから、そうならない。私は、ちょっとの一言で人が幸せになるのならそれでいいと思って言語性知能指数をふんだんに使っていたら、調子に乗って散々やられた。もうゴキブリ人間と関わるのも嫌なので人とは距離を置いているけれど、本物を見つけた時は、絶対に間違えてはいけない。






「ごめんね」と言うと、「私たちこそごめんねなのよ」と言われ、4人で謝り合うというおかしなやりとりが少し続いた。「ごめんね」に対し「いいよ」ではないのだ。「私たちがごめんねなの」と、訂正してくるのだ。謝罪を受け取ろうとしないのだ。






そして、カウンター越しだったしハグもできないので、一人一人と握手をしてお別れをした。

握手の文化ではないだろうけど、みんな握手してくれた。






店から出ようとして出口に近づいた時、思い出した。











写真を撮るのを忘れたのだ。

大変だ。撮らないと。











世界で一つのカレンミランにあった、カレンミランよりずっと美しいものを。
















「レイディーズ!!!!














「YEEEEES!!!!!!」






「純粋な心を持つ人」は、どんな服より美しい。








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-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

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