3日目⑤「カチカチカチカチ・・・」

このページは、「ホーン鳴らない カチカチ」などの検索で訪れる方が多いです。先にページをご紹介いたしますと、これは、EUからアフリカ、中東までを一人で運転するトラドラ(トラベルドライバー)がマレーシアにて一人運転をした旅行記の一部です。その際にクラクションが鳴らずに困った時のものです。トラドラの詳細は、プロフィールをご覧下さい。




アウトレットへ行くはずが

最初にセットしたのは、シルカホテルの近所の「MOアウトレット」なはずです。これは、シルカホテルのHPで「Shopping」をクリックしたら載っていたアウトレットなのですが、多分ガイドブック等には載っていないと思います。

入っているブランド数も少なかったし知らないブランドもあったけれど、マレーシアのローカルブランドもあるのかなと思って期待していた。

こちらです。




シルカホテルからは7キロほど。





この時の私の出発地点は動物園だったので、20キロぐらい。






では、出発。






逆車線に出たかったので、出発して次の道でUターンをするつもりだった。何せ、両脇に路駐だったもので、その場でUターンをするスペースはありませんでした。




出発して数十メートルで、左折ができそうな道がありました。そこでUターンをしようかなと思ったら、急にその道から車が出てきた。

なので、危ないから、クラクションを鳴らそうと思ってハンドルの真ん中をパンパンと叩いた。




その車のドライバーは、こちらを見てから私に気が付きました。一方私は、急ブレーキをかけてハンドルを切りながらその車を避け、道を通り過ぎた。

そして、急に出てきたその車が行ってからバックでその左折の道路に入って、Uターンを済ませた。






急に出てきたその車はもうどうでも良く、急いでUターンをして、早く停まりたかった。






大変なことに気が付いていたので。








今、クラクション鳴らなかったよね・・・








Uターン後に路駐して、おそるおそるハンドルの真ん中をもう一度パンパンと叩いてみた。








鳴らない・・・。








今度は、イライラしながらパンパンではなく、「バンバン」と叩いた。








やっぱり鳴らない・・・。








そして、むしろ殴っているとしか見えないほどすごい勢いで「バババババババン」と叩き続けてみた。








どうしても鳴らない・・・。






なるほど。さっきの車、私のクラクションが鳴らなかったからこちらに気が付くのが遅かったわけだ。なんて納得している場合ではない。急に出てきた車でも充分避けられる速度だったから幸運だっただけだ。






この鳴らないこのクラクションは何なのだ。

だけど、カチカチは生きているみたいだ。







カチカチって何

だけど、カチカチって何?




日本語のみならず、英語でも知りませんでした。

帰国後に調べたところ、これは「リレー」と言うものだそうです。思いっきり英語じゃないか。車用語はほとんど英語だけれど、これも英語でした。勉強不足。






とりあえず、カチカチに悩む前に、放っておこうかどうしようかを先に数秒考えた。

クラクションが鳴らなければ、車検は通らない。車検が通らない車の走行は道路交通法違反なはずであり、運転すれば、違法が故、ばれたならそれなりの罰則があるはず。一応最後の車検は通っているのだろうから無車検車ではないだろうけれど、この国での車検項目も何が違法なのかも私は知らない。

おまけに、この車で事故を起こしたとしたら、クラクション故障車は整備不良車となるだろうから、整備不良の車を運転して事故に遭った場合でも保険がおりるのかどうかも分からない。おりたとしても、過失割合算定の際にかなり不利な可能性もあるし、そもそも、何百歩譲っても、整備不良の車を借りて乗り続けていることが正しいとは思えない。






でも、もしもこの国でクラクション故障車が整備不良車でなかたっとしても、クラクションというのは、本来、「危ないですよ」と相手へ知らせるために鳴らすものなはずだし、この車で走るのはリスクが大きい。こんな、おそらく日本人が「運転の荒い国」と呼びそうな場所で、びゅんびゅん車が出てくるのに、クラクションを鳴らせないまま何百キロ先のジョホールバルへ行くなんて、リスクが大きすぎる。






と、書くと長いけど脳内では数秒で済んだことを悩み、「それで、じゃあ車を直すの?」という次の問題へ進んだ。

そこからは、1分ほど熟慮。






何せ、クラクションの構造が良く分かっていなかったので。

私はただのドライブ好きで車好きではないので、整備に興味はあるけれど知識はほとんど無く、運転していたらついてしまった知識が全てです。故障とか車検とか。後は、法学部が故の法律のことと、その都度知りたいから調べた程度のもの。




クラクションは、その昔、マイトヨタ車のチャラいクラクションの音が嫌で、ちょっと交換しようかなと思ったことがあったので、何か違う音にするもの(ホーン)があるということを知りました。

だけど、壊れたこともなかったし、結局何だか良く分からないまま過ぎてしまっていた。

そんな私が、今現在、海外で、初めて来た国で、初めて運転した国で、クラクションが鳴らずに困っている。どうするか。






分からないなりに、想像の仮説で組み立ててみた。

① クラクション(ホーン)は、もちろん車内にはついていない。車内だったらうるさくてしょうがないだろうから。
② クラクションの音は、前から聞こえているのだから、エンジンのあたりにあり、ハンドル付近ではない。
③ だけど、鳴らすのはハンドル。だから、ハンドルからエンジンルームまで配線で繋がってる。
④ そしてその鳴らすハンドル部分はカチカチと言うので、作動している。強く押しても何度やっても鳴らないのだから、接触不良ではない。だから、カチカチ自体はきっと故障してない。
⑤ じゃあ、エンジンルームのホーンか、そこまで行く配線がおかしいかのどちらか。
⑥ あれ?でも、電力が要るよね。ヒューズボックスはどこ?まあいいや。ヒューズが飛んだ気がしないし。飛ぶ理由が分からない。バッテリーは上がっていないし、上がっていなくても飛ぶとしても、何をそんなに電力を使った?全然ヒューズな気がしないから、それは脇に置いておこう。




そして、結局私が懸けたのは、「配線」でした。おかしいのは絶対に配線だと思った。他に色々と考えられることもあっただろうけれど、どうしても配線な気がして仕方がなかったので。






さて、何で鳴らない原因を想像したかというと、私にとっては、「すぐに車が直せるのか」ということが重要だったからです。それによって今後の予定が大きく違うので。






直しなよ

小さなレンタカー屋だし、サイズもコンパクトだし、年末のしかもクリスマスだし、すぐに交換できる車が残っている可能性は低い。だから、違う車に交換するというよりも、この車自体を直すことになるほうが確率が高いと思った。

となると、すぐに直せる部分の故障であるかどうか(部品がすぐ手に入る部分の故障であるかどうか)が大事だった。




ホーンであればどこの田舎の整備工場にもあるような物ではないだろうけれど、配線なら、よほど特殊なものでない限りは、どこの修理工場にあるはず。ヒューズもあるだろうけれど、ヒューズだとしたら、ヒューズが飛んだ理由が他にありそうなので、もっとちゃんと調べなくてはいけなくなるかもしれないから、車を預ける必要が出てくるかも。






とりあえず、私の勝手な論理的基準が正しいことを願って、そして、配線じゃないかという私のただの勘が当たっていることを願って、修理を覚悟の上でレンタカー屋のお兄ちゃんに電話をすることにした。






ぷるるるるるる。




 「Junkoだけど」

お兄ちゃん 「ハロー Junko、車はどうだい?ドライブは快適かい?」

 「全然快適じゃないよね。クラクションが鳴らないんだよね」

お兄ちゃん 「鳴らないなんて!3日前はちゃんと鳴ったんだよ!」






嘘だよねきっと。3日前も30日前もチェックしていないに違いない。






 「今動物園へ行って出たところなんだけど、初めて気が付いたの。過去2日間クラクションを鳴らさなかったから」






他の車があるかどうか聞いて「ないよ」と言われたからか、最初からないものとしてこの車を直そうと思ったのか忘れましたが、その後はこう続きます。






 「どうするのこれ。すぐにでも何とかして。人の休暇を丸つぶしにしないで」

お兄ちゃん 「契約書に書いてあるメンテナンスに電話してごらんよ」

 「何で私が電話するのよ。国際電話をかけてまで何で私から電話をするの。あなたが貸した故障車のために私が国際電話をかけるの?ついでに言うけど、無料だよなんて言っていたお勧めのシムカードは、全く無料じゃなくて、次の日の朝早速料金追加してくれってメッセージがきてたよ。だから私が使える携帯は、料金を追加していないから今日も日本の携帯だけです」

お兄ちゃん 「そんな・・。あの会社は無料なはずで・・・」

 「シムカードはもういいから、車を何とかして」

お兄ちゃん 「大丈夫だよ。メンテナンスに電話して」

 「だからさ、何で私なのよ。自分でメンテナンスに電話して、事情を説明してここに来させるとかなんとかしてよ。私が電話して、待たされた後に車の番号やら契約番号やら伝えて、今いる場所を教えたあげくに、〇〇に行って下さいなんて言われても困るんだよね」




とか何とか、どうしてもメンテナンスのためにコールセンターに電話をしたくなかったので、色々と言ったのです。想像しただけでも既に嫌だった。

まず、コールセンターで音声を聞いて繋ぎたい番号を選択して、大分待たされて誰かが電話に出て、契約番号やら車の番号やら言って、事情を説明して・・・と、長い時間をかけた上に、じゃあそれで、メンテがここまで本当に来てくれるのかというのも疑問だった。来るとしても、更に1時間以上は待たされる。自分から行くとしたなら、その間は整備不良車で走行することになり、しかも場所がすぐ分からないかもしれない(ナビ次第)から、時間がかかるかもしれない。




でも、拒絶して良かった。

この記事を書く前に英語の契約書を読んでみたけれど、メンテナンスの番号など書いていなかった。本社の番号とFAXだけ。もしかしたらパンフか何かをもらっていて、そこに書いてあったのかもしれないから、ここは大して責めずにおきますが。






 「メンテナンスに電話してよね」

お兄ちゃん 「わかったわかった」

 「すぐにかけてね。10分以内にかけなおさせてね。電話がつながらなかったらあなたがかけてきて」

お兄ちゃん 「わかったよ。すぐかけるよ」

 「こんな車に乗ってるの、嫌ですからね。大体この車で走るの違法でしょう」




お兄ちゃん 「大丈夫だよ。気にしないで(It's OK. Never Mind)








またか・・・。






私 気にするよね(I DO. I BLOODY DO)。 何を言ってるの?何を自分から気にするなとか言ってるの?そっちの言うセリフじゃないでしょうが!






「ブラディ」とかつけるの、滅多にないですね。「ファッキング」は強いし教育レベル低そうか子供みたいなのでもっと使いませんが。イギリスでは頻繁にブラディが使われるし、ファックよりも弱いのでたまに使うことはあるけれど、それでもあまり使いません。

因みに、このページで英語の大文字を使ったのは、怒っていたことを表現するためです。書いた文字で強調を表現したい時は、大文字が使われます。もらった方は非常に不愉快ですので、メールなどで滅多やたらに大文字で文章を書かないようにお願いします。本当に友情に亀裂が入るほど頭にくることもありますので。






さて、意味が分かったのか分からなかったのか分からないお兄ちゃんとは、とりあえずメンテに電話をかけさせるということで電話を切りました。




だけど私は思った。

ここで待っていてどうするのだと。






でも、3分ぐらい待ってみた。

そしてやっぱり、電話はかかってこないだろうなと思った。






でも、結局10分ぐらい待ってみた。

そしてそのうち、「絶対にかけてこないだろうな」という確信が湧いてきた。




だからこちらから又彼の携帯に電話をしてみようかなと思ったけれど、もっと確信を持って思った。






あの子、電話したら絶対に逃げるよ。

絶対電話に出ないはずだ。






じゃあ、どうする?




ここはどこ?

動物園。




レンタカー屋はどこ?

空港付近。






どのぐらいの距離?

ここから約1時間。






行っちゃおうよ。そしたら逃げられないから。






「何かあったらその場で処理しろ」がルールだし。






問題は、

① レンタカー屋に彼がいなかったらどうするか → それはそれで仕方がない。いる方にかけるしかない。

② 空港に着く前に無事電話があって、動物園へメンテが向かっているということだったらどうするか → そしたら空港に方向を変えてと言ってみればいい。ダメなら動物園へ戻ればいい。

③ 整備不良の車で走るのか → そこは仕方がない。おそらく、空港へ行ってしまうのが一番被害が少なくて済むやり方なはずだ。

そして、「空港付近にアウトレットあったよね。どうせあそこに行こうと思っていたのだから、お兄ちゃんがいなかったらそのアウトレットに買い物でも行けばいいよ」という意見もプラスした。






何としてでも今日中に直させて旅行を続けなくてはいけない。

あの子は逃げるから、電話なんかじゃ絶対にダメ。






よし、じゃあ行くか。






15時過ぎぐらいだったかな。

クラクションが鳴らない車を飛ばして、空港へ行くことにしました。


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-マレーシアレンタカー運転一人旅

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