2日目①「まだ落ち着かず」





水回り不運はそう甘くはなかった

結局、7時半ぐらいには起き上がった。

ダブルのセラミックヒーターで部屋の気温が上がってくれたのでブルブル感はなくなっていたけれど、とても熟睡できるほど穏やかな気分でもなく体育座り寝姿勢が疲れたという事もあったと思う。






完全に睡眠不足だけど、温かいお風呂に入って体を温めて、朝食へ行こう。






というわけで、風呂場へ行って、浴槽の栓を閉めてお湯をためようとした。






おや、栓が閉まらない。








そうきたか。











「お湯は出るがためさせないバージョン」の水回り災難か。






でも、とりあえずそこでは切れず、シャワーを浴びることにした。

そして、浴槽に座って栓を手で押さえて排水させないようにしてお湯をためてお風呂に入るという手段をとった。

とっても時間がかかる手段を。






朝食を食べた帰りにフロントへ行って直すように頼もう。栓ぐらい、何かをパキっとやれば直るだろうから。






朝9時。カーテンを開けると、あの建物が見えた。問題もなく過ごせた部屋であれば「いい眺めだろうな」と思えたかもしれないけれど、到着数時間でこれほど苦労させられた私には全くもってどうでもいい眺めだ。






朝ごはんへ行こう。今回の旅行では、久々にパプアのビルムを使ったの。腕が痛いので、カメラリュックはもうやめて小さいのにして、普段バッグはビルムにしておいた。私、お化けみたいだな。






ホテルのほうは見た目は綺麗なんだよ。設備は古いけど。







朝食は1階のカフェみたいなところで、夜はレストランなのかな。そんなに大きくなかったけど。











では朝食を

一番奥の、2人席を取った。






後はみんな何故か6人掛けだったので。






時刻は9時35分。お腹がすいたな。






まずはオレンジジュース。いつものことね。






パンも色々あるし、






チーズやハムとかもあったけど、






その程度はどこにでもあるのだ。このホテルが良かったのは、できたてのオムレツが食べられた事。卵はいくつかと聞かれ、この中から何を入れるかと聞かれる。

私は、オニオンとパプリカとターキーにしてもらった。卵は2個。みんな1個と言っていたのに私は小柄なのに2個と言ったからか、聞き返されてしまった。






オムレツを待っている間、生野菜のドレッシングを探したけど、見当たらなかった。ドレッシングはどこかと聞いたら、キッチンの中から持ってきてくれた。

そのほか、温かいものもあったので、豆とフィッシュフライかなんかを取ってきてみたけど、まずかった。豆は可もなく不可もなく。







そして、待ってましたのオムレツ。






パンは3種類とってきて、器できてしまったドレッシングにサラダ。

トマトが甘くてね。私は小さい頃からトマトが食べられなくて、海外で食べてみた時、甘くて驚いた。日本で育っていなかったらトマトを食べられたかもしれないと思った。酸っぱいから。甘いトマトと呼ばれるトマトも、酸っぱい。海外のトマトにも酸っぱいものはあるだろうけど、こんな、普通に適当に切られて並べられているトマトですら、酸っぱくなく甘い事がある。美味しかった。

そして、オムレツ。

これはいい。

ただ卵を敷いて、具を乗せて焼いただけ。選んだのがオニオンとパプリカだったこともあり、非常に甘い出来上がりとなって、とっても美味しかった。全然味がついていなかったんだけど、何だか美味しかった。塩をかけても何故か全然しょっぱくならなかったけど、でも何だか美味しかった。

そうはいっても味がついていないので、ドレッシングをかけてみたんだよ。そしたらちょうど良くなった。

自宅へ帰ったらやってみようと思った。オムレツドレッシングがけじゃなくて、オムレツに小さな具を入れて焼いただけのやつ。ミニフライパンを買わないとな。






それから、紅茶。ソーサーがないと思ったら、私がソーサーにパンを置いていたらしかった。パン粉だらけの受け皿で、とっても少ない紅茶。

マグカップ、大きくしてくれたらいいのに。

でも、目が覚めた。朝はやっぱり紅茶だよ。






食事をする前、指が切れていたので、ウェイターに絆創膏はないかなと聞いた。すると、

One minute.

と言われたので、1分という意味だけど、要するにちょっと待っててという意味なので、待っていた。

待っていたけど来ないので、もう食べ終わったから、フロントに用事があるから自分で行くからいいよと言ったけど、分かっていなかったと思う。

私はその後、エジプトでの「数分の呪縛」に苛立つ事になる。お国柄というのではないだろうけど、マレーシアでも独特の英語があったし、エジプトではそういう英語教育があったのか、「1分」とか、「2分」とか、そういう言い方をする。どういうわけか、何分かを言う。とてもとても2分で終わりそうもないような事でも、「2分」とか言ったりする。






10時過ぎ、朝食を終えた私は、フロントへ行った。






私 「あのさ、まず、絆創膏ある?」

フロント 「ワンミニット(1分待って)」






と言って裏へ行ったが、これは本当に1分だった。






フロント 「ありません」

私 「そ、そう、ないんならしょうがないけど・・・。ええと、それと、お風呂の栓ていうか、蓋っていうか、浴槽に、あるじゃない?」

フロント 「浴槽?」

私 「そう、ほら、こうやってお風呂入るやつ。あれの下にある栓が閉まらないのよ。だから、折角浴槽あるのに、浴槽の役目をはたしていないわけ。だから、直して」

フロント 「エンジニアを行かせるよ」

私 「それとさ、セラミックヒーターを2つ借りているから暖かくなってはきたんだけど、後で出かけるんだけど、部屋の鍵を取ると電気が自動で消えるでしょう?消えちゃうと、又帰ってから温まるまでに数時間待たなくちゃいけないから、つけっぱなしにしておいて欲しいんだけど、鍵をもう一枚くれるかな。それから、ハウスキーピングの人に暖房消さないでって言って欲しいの」

フロント 「後で誰か行かせるから」






エジプトでは、「Bathtub(バスタブ)」という単語が一度しか通じなかった。毎回お風呂に入る格好のジェスチャーをしていた。お国柄、通じにくい英単語とかってあるよね。

因みに、日本語で書いているのでフロントフロント言っていますが、英語では「Reception(レセプション)」です。






部屋へ帰り、さっそくパソコンを開き、明日からのホテルを探すことにした。シムカードを買いに行きたかったけど、お風呂を直しに来るし、ホテルの予約をしてからシムカードを買いに行くことにした。






大晦日と元旦にピラミッドが見えるホテルにいたかったけど、泊まろうと思っていたところは既に一杯だったし、でもそれなりにいい所に泊まりたかった。

ピラミッド付近には、ピラミッドが窓から見えるとか、ベランダから見えるとか、何とかどうにか頑張ったらどっかしらから見えるとか、そんなホテルやホステルがいくつもあります。「トイレにシャワー」を避けるのであれば1万円以上のホテルでないとダメらしいので、元旦と大晦日という父上の誕生日ぐらいは、結構奮発してもいい覚悟だった。






ホテルを探し始めて少ししたら、エンジニアとやらが来た。全く英語を話せない男子だったけど、バスタブを見せてジェスチャーで説明してみたら分かったようで栓を直し始めたけど、すぐ諦めてしまった。そして、どこかに電話をした。直せないのかと聞く私に、「レセプションレセプション」と言い、「ワンミニット」と、ここでも「1分攻撃」がきた。






私 「フロントの人が、1分で来るのね?」






と言ってみたらうんうんとうなずいたので、フロントから来るらしいから、ホテルを探しながら待つ事にした。






さて、前からチェックしていた「Best View Pyramids」というホテルは、スイートにすればバスタブもあるみたいだし、ここにしてもいいなと思っていたけど、空室の状況が良く分からなかった。

HPから予約できるようなので、予約サイトより割高だけど、翌日の予約なので、確実にしたいため、ホテルのHPから予約してみた。部屋はみんな空いているような感じだったので、スイートを予約して、予約完了メールがきた。11時半だった。

だけど、どうもおかしいなと思って。全部の種類の部屋が空いているって、変じゃない。元旦に。ついでに、あまりに寒いので、ポータブルヒーターがあるかどうか聞きたいので、電話をしてみることにした。まだ現地シムカードを買っていなかったので、スカイプの出番。






私 「さっき予約したんだけど、予約確認したいの」

ホテル 「いつの予約?」

私 「明日から2泊」

ホテル 「満室だから予約できないよ」

私 「できないって言ったって、できたんだからしょうがないじゃない」

ホテル 「どこのサイトから予約したの?」

私 「ホテルのホームページからだよ。空室だった」

ホテル 「満室だから予約できないって」

私 「できたんだからしょうがないだろうが」

私 「予約番号言うから調べなよ。メールきたんだから」






と言って予約番号を言った。






ホテル 「もう一つホテルがあるから、そっちかもね」

私 「かもって言ってる場合か。予約できてなかったらどうするんだ」

ホテル 「もう一つのホテルだと思うよ」

私 「どこなのそれ。場所分からないと行けないじゃない」

ホテル 「ここから2,3分だよ」

私 「その2,3分をスーツケースを2つ持っていくのが嫌なんだけど」

ホテル 「キャンセルする?」

私 「予約できてる部屋って、写真通りのバスタブがある部屋なの?」

ホテル 「もう一つのホテルは同じ部屋じゃないし、バスタブつきの部屋はないよ」

私 「どこのどんなホテルかも分からないところの予約じゃ困るし、スイートの料金でグレードがずっと低い部屋にされたら嫌だから、キャンセルする」

ホテル 「いいよ」

私 「カード情報入れたから、請求しないでね。ちゃんと削除してね」

ホテル 「しておくから大丈夫」






折角探して予約したのに何なのだと思ったけど、ピラミッド付近は糞だらけだったから、これで良かったと思う。スーツケースが糞まみれになるところだった。

元旦の朝に目が覚めて一番に見るのがピラミッドであってほしかったけど、そういう問題ではなかったと思う。





しょうがないから、又一から探し始めた私。

地図を見て、ピラミッドまで徒歩圏内のホテルを探した。良さそうなところを。

そして、一つ見つけた。口コミもまだ少ないほどできたばかりのホテルだった。その口コミは後にするとして、ホテル予約前にヒーターを確かめたかったので、先に電話をしてみた。

ポータブルヒーターでもセラミックじゃないやつがあるかと聞いたところ、電話に出た女性が良く分からないようだったので、メールで写真を送ると言って、どこぞで適当に引っ張ってきたポータブルファンヒーターの写真をつけて送ってみた。






少し待ってまた電話してみると、あるよと言われた。だったら返信をくれれば良かったのに。

とりあえず一安心で、予約するねと言っておいた。タクシーアレンジできるよと言ってくれていたのも良かった。その後困ったので。






さあ、次は怒る番だな。




次のページへ >


< 前のページへ



最初から読む


-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

© 2024 一人旅運転日記 by Junko(MENSA会員)