2日目②「5分で直るものなのに」






待ってもこないのでこちらから電話を

エンジニアから「フロント1分攻撃」を受けてから1時間以上経過しても、誰も来なかった。

マネージャーレベルと話さなきゃいかんなと思い、電話をした。






私 「マネージャーに代わって」

フロント 「今日はいません」

私 「じゃあ誰でもいいから、誰か管理権のある人に代わって」






電話は転送された。






だけど、誰も出ない。なので、切って又フロントにかけた。






私 「誰も出ないところに転送すんな!






といきなり怒ったため、今度は本当にちゃんと転送されたようだった。






誰か 「もしもし」

私 「マネージャーじゃなくてもなんでもいいから、誰か責任者と話したいんだけど」

誰か 「私が話します」

私 「あのね、浴槽の栓が壊れてるって言ったら人がきたのに英語を話さないで訳が分からず、なのに1分とレセプションだけは言えたんだよね。だから1分で来ると思ってたら誰も来ないじゃない。1時間以上過ぎてるんだけど、今すぐ来て」

誰か 「後5分で来客あるからこの場を離れられないからいけない」

私 「じゃあその後でいいから来て」

誰か 「わかった」






そう言って切って待ったけど、又誰も来ない。

昼の1時を過ぎた。






切れた。






電話などでは逃げられるので、今回も、「前振りなしの対面直談判」に出掛けることにした。

フロントに降りて行った。






私 「さっき電話したんだけどね、あなたがマネージャー代わりとやら?」

誰か 「そうです」

私 「何分待たせるのよ」

誰か 「お客さんが来るって言ったじゃないか」

私 「だから待ってろって言うから待ったんじゃない。ちっとも来ないじゃない」

誰か 「忙しいから」

私 「だからとっとと用事を済ませて仕事に戻ればいいじゃない。私だって出かけられないじゃない」

誰か 「エンジニアが行っただろう」

私 「役に立たないのが来ただけで何の解決にもなってないの。見ればわかるけど、簡単な事なの。ちょっと来なさいよ」

誰か 「行けないんだよ。人がくるんだ」

私 「まだこないの?ここで待ってるから、一緒に上がって」

誰か 「終わったら行くよ」

私 「ダメ。一緒に来て。人が来ないのなら、今一緒に来て。見ればすぐわかるから」






強引にマネージャーもどきを連れて部屋に戻った。






浴槽を見たら理解したようだった。

ハウスキーピングの女性が他の部屋で掃除中で、彼女を呼んで色々と話していた。

この彼女が一生懸命やってくれていたのは分かったし、頼めばやってくれているのは分かっていた。書いていないけど、通りすがりに話しかけてアラビア語のことを聞いたときに少し話していたので、言葉が分からなくてもちゃんとしてくれる人なのは分かっていた。だけど、エンジニアではない。

そして、男子がダメなのだ。ちゃんと対応しようとするのだけれど、遅いうえに無責任で、非効率的な仕事であり、筋が通らない。その後数日ずっとそんな調子の男子にしか会わなかった。






エンジニアを呼んで直させるというので、もう既に一回来ており、奴は諦めて帰った上に1分レセプションと言っただけで役に立たなかったと説明した。

私は、直らないなら直らないで、なぜそう言わないと、言葉が分からなければ放っておくのかと、何が何だか分からないままで仕事を放置されてはこちらも何だか分からないじゃないかと怒った。「直りませんすいません」の一言があれば部屋を変える変えないとなり、もう面倒だから変えないという事になると思う。もしかしたら変えたかもしれないけれど。

だけど、直るか直らないか説明できなくても、フロントが1分でくるからという嘘っぱちで終わらせるのは不真面目すぎる。

英語を話せないので通訳をしてほしいので今すぐ自分がいる間に呼ぶようにと言った。フロントへ帰らなくちゃと言うので、ダメだと言った。エンジニアは英語を話さないから、直せなかったとしても、それを私に伝えられず、又逃げる。そして私は意味が分からないので又待つことになり、同じことの繰り返し。

彼の言い分は、そのハウスキーピングの女性に事情を話したので、彼女がアラビア語でエンジニアに伝えてくれるからというものだった。彼女は英語を話さないのでエンジニアの言う事が私に伝わらないから直るか直らんか分からんと言うと、通訳のために自分が必ず私に電話をするというので、その場は引く事にした。






その他、部屋の暖房を切らないでねというお願いは、その後彼女が解決してくれた。突然私のティーセットの紅茶をもってきたのでどうしたのかと思ったが、

古いホテルなのでこれでいいらしかった。

カードの磁気を読み取って電気の電源をオンオフにするのかと思っていたけど、ここに何か入れればそれでいいらしかった。今度違うホテルでもやってみよう。

それにしても、ちゃんと真っすぐ入っていないので一部しか差し込めていないけど、たったこれだけで電源がつくのか。






その場で大笑いして、彼女にお礼を言って、とりあえずエンジニアを待つ事にした。






マネージャーもどきがすぐエンジニアを呼ぶと言ってから更に30分ほどたってから、さっきのバカとは違う男子がきた。

能力が違い、さっぱり英語を話さなかったけど、浴槽の栓を見ただけで理解した。

そして、ものの5分で直した。

これが本来の仕事のレベルだったと思う。






この彼は、もしかしたら、エジプトで見たたった一人の理系脳のありそうな男子だったかもしれない。さっきのバカとは比べ物にならない事は分かったため、ついでに、排水の件を言ってみた。排水はされていたけど、念のため。






そしたら、それも見てみようと、床のタイルを取った。そして、中からごっそりと髪の毛を出した。言って良かったと思ったよ。詰まる一歩手前だったと思うので。

浴室の床が真っ黒になってしまったので、掃除もしてくれた。

これは、掃除の終わりかけ。






浴槽に水を流しても流れるし、お湯も出るし、排水もOK。

このホテルのこの部屋の水回りは、私がエジプトとタイの半月ほどの旅行で、一番まともなものになったと思う。

まず、お湯が出る。お湯の温度調整ができる。シャワーの水圧がちゃんとしている。浴槽があった。そこまでは私は何もしていない。だけど、浴槽にお湯をためられ、水を排水できるというのは、私の苦労の結果だ。そして、これらが全て揃った素晴らしい水回りの場所には、その後半月当たる事はなかった。

そう考えれば、苦労して良かったと思う。この日の夜たった1日でも、満足できるお風呂とシャワーになったのだから。






言葉が分からなければ日本人ならただ全部我慢するだろうけど、私がクレームを出すのは、言えば何とかなる確率が高いという事を知っているから。何も言えない人間は、何も言わないまま生きればいい。何も手に入らないから。

占星学的に12室金星と3室海王星90度という不運な私は、ゴミや壊れ物に当たる事はもちろん、人々がごくごく自然に虐待したくなったり、いじめたくなったり、嫌がらせをしたくなったり、こいつは後回しでいいと差別的に扱われたり、不真面目な仕事で適当にあしらったりしてくる事はもちろん、お金がかかる事で損をして、人のために尽くして自分が時間と経済的損をするホロスコープ。

このクレーマーだのなんだのと言われることもあるだろうが、私がチェックアウトした翌日以後にこの部屋に泊まった人は、最高の水回りの部屋のホテルに泊まった事となり、さぞかし素晴らしい口コミを書くでしょう。それが運の違いというもの。ほんの少しの差で大損する。

ただ、このサイトがある限り、トラブルがあるほうが読者が読んでいて面白いはずなので、身体が無事である限り、「書く題材をありがとう」的になっている・・・。






でも、基本的に、最初がダメで、後から巻き返します。その後タイで最高レベルの旅をしてきたので、そちらでは切れない旅行記をお楽しみ下さい。






さて、このハウスキーピングの彼女、ずっと私の横におり、でも英語を話さないからジェスチャーでしかしゃべっていないけど、マネージャーもどきに怒っていて呆れて黙った時、ふと横を見て目が合ったら、「ビューティフル」と言った。

笑ってしまった。怒っていたけど、スカーフも巻いていないし、アラブ的な化粧もしていないから新鮮に見えたのかもしれないけれど、何だか、ほっくりくる一言だった。

調子よくごまをするつもりで言ったという感じではなく、なんか、すごく純粋な人に見えた。もしかして、女性なのにちゃんと男相手に文句を言ったからビューティフルだったのかもしれない。

だけど、その後も、やはり、アラブ的というか、みんな同じでもないだろうけど、とりあえずヨルダンとトルコも同じだと思っているけど、アラブ女性独特の美しい心にとても安心し、女性としか話したくなくなっていったのです。








やっと出かけられる

時刻は14時半。

やっとシムカードを買いに行ける。






先に下見をしておきたい事もあり、シムカードはシティスターズというエジプトで一番大きいというショッピングモールへ行く予定だった。このホテルは、そこから近かった。

全然タクシーで行ける距離。






一度フロントに寄り、マネージャーもどきに、さっきの男子はとても仕事ができてちゃっちゃとみんな直してくれたと言い、これでもう大丈夫だからありがとうとお礼を言って、外へ出た。






ポーターに、タクシーでシティースターズに行きたいと言うと、すぐそこにいたタクシーの運ちゃんを呼んでくれ、いくらだと聞くと、50エジポン(約280円)だと言われた。まあいいかと思って、それに乗ることにした。






「俺の車はあっちだ」。






左はホテルの入り口。






路駐してあったタクシーに乗り込んだ。今回ももちろん助手席。






なんでも、自分は流しのタクシーじゃなくて、ホテル専用だと言っていた。だからちょっと高めなの。

ほんの5キロで50エジポンなんて。






やっと見られた昼のカイロの車たち。






この辺は中心部ではないので、車の量もいくらかましだと思うよ。






そして、あっという間にシティスターズに到着。






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-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

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