6日目「海外で初めて引きこもる」






昼前に目が覚めたけれど、ベッドの中でずっとスマホでタイの地図を見ていた。




何せ、ガイドブックがない。タイに行くなんて全然思っていなかったから、実際に行ったエジプトと、行く予定だったイスラエルのガイドブックしか持っていなかったのだ。

そうなると、頼りはグーグルだった。グーグルマップで出た都市名を検索して観光ポイントの写真を見る。それでも出なければ、グーグルマップ自体に掲載されている写真を見る。






どうしても、タイの地形からして、あっちもこっちも行くというのは無理だろうと思った。車を乗り捨てようとしたけれど、すごく高い。では飛行機はと思ったけれど、どうしても、無駄な気がした。国内線とはいえ、やはり、1時間前に行ってとか、すごく時間がかかる。それだけの時間を車で移動できたら着いてしまうんじゃないかと思って。






悩みに悩んだけれど、いつものようにちゃんと「起こさないで」をかけておいたので、誰にも邪魔されずにいつまでもベッドにいられて良かった。








起き上がろうか。もう昼過ぎだろうし。

そして、シャワーを浴びて、パンツ1枚でふと見たら、驚いた。











なんか、カサカサやん。

これ、お腹ね。ピンクのは、パンツ。見下ろして撮っているの。








おでこには大きなダマができるし、お腹が乾燥するなんて今までなかったし、なんかもう、エジプトに来て私の体までおかしくなっていくのだろうと思った。

写真がないけど、体は、最初のスーパーで買ったベビー石鹸で洗っていた。バルトで買ったベビー石鹸がとっても良かったので、今後海外では、スーパーでベビー石鹸を買って持って歩こうと思っていた。

だけど、やっぱりヨーロッパと違い、品質が良くないのだろうと思う。ヨーロッパは許可が厳しいからね。肌の弱い人用のものとか多いし。






もちろんもう治っているけれど、この時は更にどんよりした。











そして、どんよりしながらブランチ。14時34分。

パイナップル、甘くて良かった。期限が昨日までだったから、熟しすぎて甘かったのかな。いや、多分、昨日でも十分甘かったと思う。美味しかった。それに比べると、ぶどうジュースはちょっとチャラい味がした。








部屋には入ってもらわなくてもいいけれど、タオル交換とかティッシュ補充はしてくれないと困る。そんな時は、ハウスキーピング最中に交換するよと言ってもらってくればいいのだ。






近くの部屋にいた音が聞こえたので、セルフ補充してきた。








一人だし、誰も留守番がいないから、自分が部屋を出る時にはいつもスーツケースを閉じて鍵をかけていく。いつもは出かけてから掃除に入ってもらうけど、今日は出かけないので、掃除もいらない。











ではゆっくりとタイ旅行を計画

ただひたすらパソコンでタイの地図を見ては都市名で検索、観光名所名で検索を繰り返し、レンタカーが安い事も確認したけれど、どうにもこうにも、予約する気にならなかった。

だって、帰りがいつか分からないんだもの。帰りの便を予約していなかったから、帰りまで借りてしまうにも、いつが帰りだか分からない。途中を飛行機で移動するのならレンタカーは返さないといけないし、先に行く場所を決めなくてはいけなかった。だけど、PCRの都合で、帰りは絶対バンコクからなのだ。






旅行記的には、カンボジアとラオスとミャンマーへの陸路国境越えを含めるのが楽しそうかなと思った。だけど、ラオスに行くには、コロナ抗原検査陰性証明という問題があった。医療機関を国境付近で探さないといけない上、万が一陽性ならもちろん入れない。ラオスのホテルを予約してしまうのはリスキーだ。

カンボジアへは、越えようと思っていた国境付近の町であるポイペトで丁度数日前に火事があって死者が出ており、工事とか警察とかがいるだろうから、渋滞とかあるかもだし、違う時にしたほうがいいみたいだった。

ミャンマー入国は、PCR陰性証明と、国保加入所が必須だった。たった1日の入国でも同様なため、すごく面倒だった。

そうなってくると、国境を越えるというお題が邪魔になった。






私は、久々にカレンダーを作りたいのだ。13枚の写真がいる。1国で13枚がどれほど大変かは過去にやって良く分かっている。国境越えなんて言っていたらカレンダーを作れるほどの時間がなくなると思う。

タイに絞るか。






ということで、タイに集中して見ていた。

色んな顔のあるカレンダーにしたかったので、寺院だけでなく、花とか海とか、色々と見た。

とりあえずピックアップした場所を全部行ったとすると、南に1200キロ、北に1700キロ、東に800キロで、大体10日後に帰る予定だったけど、10日以内では無理であろうルートだったので、何かを諦めなくてはいけなかった。




やはり、あちこち行くなら、飛行機とレンタカーの組み合わせでないと無理だろうけど、それでも、乗り捨てを組み合わせないと無理かもしれない。

色々見ているうちに、離れ島だと思っていたプーケットは本土から車で行ける事を知ったので、マイルフライトを見てみたら、大韓航空がプーケットに就航していたので、帰りのフライトはプーケットからでも予約できそうだった。






行きたい場所と飛行機が飛んでいる場所と私が帰国する時に出る場所が又違うわけで、色々悩み、ありとあらゆる組み合わせを検討した後、やっと思いついたのが、サウジアラビアからバンコクに到着してからすぐ蓮の花のウドンタニへ国内線で夜に移動し、ウドンタニ空港で夜からレンタカーを借り、700キロ離れたチェンライまで行きそこでレンタカーを乗り捨てというもの。そして、チェンライからバンコクへは又飛行機。その後、バンコクから又レンタカーを借りて、今度はプーケットまで860キロを下りながら寄れる場所に寄っていくと。

だけどこれは、プーケット発成田行きの大韓航空がマイルであったならという話で、それがないとこのプランはぺけで、最初からやり直しだ。大韓は、アプリで空席が出ていても間違っている事が多いらしかったので、電話してみないと分からない。日本時間が9時になったら電話してみるかな。






何となくちょっとお腹がすいた気がする。

紅茶でも飲んでおくか。











紅茶じゃ足りないから晩御飯へ

18時43分。やっぱりご飯に行こうかな。






下へ。18時45分。






レストランで、メニューはと聞くと、「ビュッフェです」と言われた。

選べないのか。ちゃんと食べないと高くつくな。






だけど、他のレストランはやっておらず、今日はここしか開いていないようだった。値段を聞いたら400エジポンだと言われたので、カード払いもできるし、好きなものだけたくさん食べられるのもいいかと思ってここにした。






二人席に案内された18時47分。






席のすぐ後ろがビュッフェ料理たち。






ビュッフェって、ホロスコープの悪い私の旅には向いていない。朝食とか、ビュッフェのホテルが多いけど、そのためだけに何かを持って行ったりする。

一人だから、席を取っておいてくれる人がいないから、料理をとって戻ると、誰かを案内されてしまって他の人が座っていたりするのだ。すごくみじめな気分にさせられて、いじめられている学校の子供みたいな気分になる。食事も楽しめない。

だから、カーディガンなり小物なりを持って行き、椅子においておいたりするけれど、置いた物によっては、ただの忘れ物だと思って捨てられるか捨てようとされていたり、食べかけのお皿があるからと安心していたら下げられてテーブルに何もなくなっていたり、結局、クラスで物を捨てられたり隠されたりしているいじめられっ子みたいになる確率が高い事には変わりはないのだ。






この時も、寒かった事もあり、ダウンを着て行っていた。ダウンを椅子にかけて椅子から離れたら、ちょっと先の席の男子に、「忘れているよ」と大きな声で言われた。「私は一人だから席をとっておくために何かを置いておかなければならないから置いているだけなの」と、みじめな返事をした。






ビュッフェで選んでいても、気になってしょうがないのだ。何十回も席を見て確かめる。のんびり選んでもいられない。






パンもあるけど、先にスープとサラダかな。






ボウルはこれか。






多分、トマト―スプ。温かくて良かった。レタスはそんなに新鮮でもなかった。






お腹がいっぱいになってしまいそうだったので、サラダを食べ終わる前に先にメインをとってくることにした。お皿に食べ物を残した状態のほうが人がいるのが分かるだろうと思って。






そして席を立つと、店員が来て下げようとしたため、「まだ私は食べているの」と言って止めた。まだお皿に食べ物がいっぱいあるうちにと思ったけれど、今回は効果なしだった。

この時は結構込んでいて、一人の女客などはとっとと帰って欲しかったのだと思う。それはエジプトという事ではなく、どこに行っても一番最初に私がターゲットになるのは、仕方がないこと。






メインはカレーにした。大したものはなかったので、カレーは安心コマだ。

海外のカレーは、チキンがゴージャスなのだ。この量の鶏肉を使ったカレーを日本で出したら、4000円ぐらいする気がする。






ついでに、魚の揚げ物(右)をとってきてみた。

チキンはやっぱり素晴らしい。ホクホクのヒレヒレで、柔らかくてとっても美味しい。揚げ物は、揚げ方も下手だし、ぶにょぶにょでまずかった。






お腹がすいていたもので、美味しく食べていると、又店員が来た。「この椅子いい?」と聞くので、「どうぞ」と言った。

4人がけのテーブルに4人以上の家族連れが入ったようで、椅子が足りなかったらしい。もちろんターゲットとなるのは運のない私だ。斜め前には、4人がけのテーブルに2人のカップルが座っている。2つ椅子が余っていたが、カップルを邪魔したら可哀そう。一人の私は邪魔をしてもいい。カップルは食事をしていないので埃が立っても話しかけても気を悪くしないだろうが、私は思いっきり食事中で埃を立てても欲しくなければ口の中にものが入っているので話しかけても欲しくないが、もちろん犠牲にしたいのは私であり、何でもかんでも、一番最初に狙われるのが私なのだ。

ビュッフェなので同じ金額を払っているが、ごくごく自然に「あんたが犠牲になりな」と思われる事は仕方がないこと。2人席で1席欠ければさらにみじめだけれど、他の客ではなく、私の席の椅子が欲しいのだ。かと言って、椅子を置いておく意味もない。私は一人だから。家族連れが椅子を欲しがっており、大家族で旅行中で、家族がいるという素晴らしい人たちの幸せな時間を、別に椅子がいるわけではない私ごときが壊すわけにはいかない。文句を言うところではない。私は所詮、幸せなホロスコープの人たちとは違う。







私の目の前には、椅子すらなくなった。2人テーブルだけど、本当に一人しか座れないテーブルになった。











後2日待て。車が手に入るから。車は私を裏切らないから。車にだけは運があるから。どんなにおんぼろ車でも、私が運転中は、壊れもせずちゃんと走ってくれていた。海外で事故を起こした事もなく、事件に巻き込まれた事もない。車だけは、私を傷つけない。私をいたぶらない。私を虐待しようとしない。私を仲間はずれにしようともしなければ、いじめようともしない。私をバカにする事もなく、決して私を裏切らない。車は、世界でたった一つ、私を本当に大事にしてくれる相手だ。






もう少しの辛抱だ。

待っとけ。必ず私の旅行を取り戻してくれるから。








カレーを大体食べ終わり、残ったスープを飲んで、やっぱりスープが美味しいので、スープのおかわりと何かを取ってくることにした。










グラタン。いらないな。








ごまパンにした。かわいかったし。これが結構、美味しくてね。ごまパンとスープの組み合わせ、良かったと思う。やっぱりスープが美味しかったけど、入れ物が小さいのしかなかったから、ちょっとしかとってこられなくて残念。丼を置いて欲しい。








デザート。フルーツだけでいいんだ。






オレンジが食べたかった。絶対甘いと思ったから。

もちろん本当に甘かった。すっごく甘かった。大満足なほど甘かった。デザートとしてふさわしいオレンジだったと思う。








では、ごちそうさまでした。






私 「部屋につけるのではなく、カードで払える?」

マネージャー 「払えるよ。469.99ポンド」

私 「さっき入った時、400だって言われていたけど」

マネージャー 「それは前の値段だよ。今は469.99」










前っていつだ。40分前か。40分前は400だったものが40分で469に上がったのか。








私 「前っていつなのよ。私はついさっき聞いたばっかりなの」

マネージャー 「昔は400だったんだ。今は460なのに、前の値段を言ったのだろう」








前がいつだか知らんが、数字を間違えるな。

毎日働いていたら値段が変わった事ぐらい分かるだろうが。数字を覚えるのに何か月かかるのだ。








やりあってもしょうがないから、ムッとしながらカードで払った。

469.99エジポンで、2406円。エジプトでは超高額な晩御飯であり、椅子まで取られてもこの値段。













やっぱり安全な場所

部屋に戻り、本当にほっとした。どこにも行きたくないからとホテルにいたけれど、レストランすら行くべきではなかったかもしれない。

部屋にいるのが一番いいよ。








それから、長々とこのサイトの日々更新ページを書いて、海外状況を報告。








書きながら飲んだレモネード。味は忘れたけど、確か残した気がする。すっぱいだけだったのだと思う。






深夜0時過ぎ、サイト更新もして、ある程度スーツケースを片付けたけど、まだ捨てるものもなくてなかなか詰め込みが大変だった。

冬物ばかりなのに、タイに行ってどうするか。エジプトでは全然夏物なんて売っていなかったから、あっちで買おう。何枚かTシャツあるから、2,3日は大丈夫だ。






深夜も過ぎ、デルタに電話できる時間になったけど、この大韓航空のプーケットからの空きは間違いだろうと思った。何日も空きがあっておかしかったので。

まあいいか。15時過ぎまでここを出て行かないわけだから、明日考えよう。






だけど、すごいな私。今日、本当にホテルから出なかった。

海外にいるのに外に出ないなんて、旅行を無駄にしているよ。それでもいいから出たくないと思わせる国がエジプト以外にはない事を祈るよ。






明日、この国を出られる。

やっと終わるのだ。






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-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

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