5日目⑤「いや大丈夫だ心配するな」





あ、フロント、女性じゃない。

終わったな・・・。








私 「私、ノボテルのエアポートに泊ってるんだけど、間違えてこんなところで降ろされちゃったんだよね。帰りたいんだけど、ホテル間のシャトルバスとかない?」

フロント男子 「ない」






そうだろうとは思ったが。






私 「私はシティースターズにいたわけ。何でこんなところにいるのよ。女性のUberで呼んでもらって、確認したの、ちゃんと、場所と値段を。50ポンドで、エアポートホテルまでって出ていたんだよね。そして、乗ってから運転手に確かめたらエアポートだとちゃんと返事したわけ。なのに、こんなところへ連れてきたわけよ」

フロント男子 「じゃあ彼は悪くない。呼んだ女が間違えたのだ。彼はアプリの通りに行っただけだ。彼は悪くないんだ」











そのどっから来たか分からん正義感を何とかしろ。

目的地を確かめる時にちょっとアプリをタップしただけで違うノボテルが出ると思うぞ。何でもかんでも注文者が悪いと思うしか頭がないのか。その柔軟性のない脳でどうやって今まで生きてきたのだ。








今思えば、アプリでタクシーを頼んだのが女性だったというのも悪かった気がする。男がタクシーを注文したと言ったら、態度が違ったのかな、と。女だからどうせ間違えるとか、そういう事なのかな。

お前らのほうがアホだがな。








私 「もうね、この国にいるの、頭に来たし、出る事にしたわけ。明後日出ていくわけ。お金ないの。まさかこんなところで降ろされるなんて思わないから、タクシー代分しか持ってなかったわけ。それ全部とられたわけ。これからお金おろさないといけないけど、あちこち連れていかれたらいくらあっても足りないんでね、悪いんだけど、今、アプリでいくらか先に確かめてくれる?」

フロント男子 「135と出てるよ」






ホテル内のATMへ行き、140エジポンをおろそうと思ったけれど、200にした。






私 「又とんでもないところに連れていかれたらいけないから、200おろしてきた」

フロント男子 「ははははは」











はははははじゃないだろうが








私 「笑い事じゃないんだけど」

フロント男子 「ははは。そうだね。今呼ぶから」






証拠として写真を撮った。行き先はちゃんとエアポートのノボテルになっていたけど、最後の最後まで信用してはいけない。






時刻は22時34分。外へ出ると、すぐタクシーがきた。この車じゃないよ。






乗り込んだ後、場所と金額を確認した。もちろん男はそうだと言った。訳が分からなくてもそうだと言うらしいので、確認する事自体に意味がない事は何となく分かってはいた・・・。






車は本物のノボテルエアポートへ向けて出発したけれど、来た道を戻っていたので、又川を越えることになった。








今度は、ぶれる事を承知で一枚撮った。






ついさっきこの川を越える前は、素敵な女性たちに会い、エジプトを出るという決断は早すぎたのかなと思っていた。

もしかしたら、素敵な事があるかもしれないと。市内へ観光しに行ってみようかなと。

決断が早過ぎたのかもしれないと。

私が間違ったのかもしれないと。





















いや大丈夫だから。

全然間違えてないから。

めっちゃ正しいし。

心配いらないから。

むしろ間違ったと思った事が間違いだったから。

今後何があってももうこの国に残ろうなんて思っちゃいけない。

それこそが間違いだ。











どうしても間違ってないから

無事に本物のノボテルに到着して、今回はぼられる事もなく135エジポン(742円)を支払って、タクシーを降りた。






23時5分、やっとホテルに到着。もうとっくに戻っているはずの時間なのに。






ああ疲れた。ほんのちょっと出かけただけなのにな。

早くシャワーを浴びて休もう。






部屋に行き、カードキーで開けようとした。











開かないんだが。

上がグリーンになって、ピピっと言って開くはずなのだ。ホテルが古くて、磁気が不安定になりやすいらしい。











じゅんこさん、疲れているのに部屋にも入れない。








カレンミランの袋をしっかりと持ち、スーパーで買ったジュースとかを早く冷蔵庫に入れたいのに入れられず、えっちらほっちらとみんな持ったままゴリラのようにフロントへ下りて行った。








私 「鍵が開かないんだけど」






と言って、鍵を出した。パソコンで何かすれば簡単に直るはずなので、数秒で済む仕事だった。

フロントの男は、黙って鍵をとり、何かちゃちゃっとやって、何も言わずに私の目の前にポンと放り投げた。






お陰で爆発した。











私 「ちょっとあんた!!!何なのその置き方は!そして、何とか言ったらどうなの!謝ったらどうなの!何を黙って放り投げるように鍵を置くの!いい加減にしなさいよ!あんたたち男はどうして・・・」






と切れると、違うフロント男子がびっくりして入ってきた。






男子 「どどどどどどどどうしたんだ 何があったんだ 僕が聞くよ 言ってみて 何がいけなかったんだ 僕に話してみて 僕が聞くから どうしたんだ 何でそんなに怒っているんだ 教えてよ 言ってみて」






数秒前にフロントに来たと思ったらいきなりブチ切れているアジア人一人旅女性にびっくりして、一生懸命中に入って取り持とうとしていた。気が悪いわけではないのだ。何だか分からないけど怒っているので何とかしようと思う心はある男子もいるのだ。








私 「あのさ、私は疲れてるのに部屋に入れずこれなわけよ。訳の分からんやり方で、癌だのなんだのって言ったりおつりをくすねたりして非常に嫌な男ばっかりで、理解力も低い上に、衛生管理までダメな汚い国で、うんこよけて生きるわけにもいかんからもうこの国を出ようとして、それで安全だと思った空港ホテルに泊まったわけ。今日買い物だけ支度して行ったんだけど、帰りのタクシー、とんでもない違うノボテルに連れて行くじゃない。それも注文した女性が悪いんだって。運転手の男は何があっても悪くないんだって。ただアプリで出された方へ行くからって。バカじゃないの。だったら私が聞いた時に返事しちゃダメじゃない。空港ホテルな事確認したのに、何をどう聞いたら間違えるのよ。エアポートの単語も分かんないわけ。教育レベルどうなってるのさ。そんでバカみたいに無駄にタクシー代払ったわけ。お仲間ホテルに行ったけど、やっぱりその女性が悪いって言われてね、それで又135エジポンも払って帰ってきたわけ。疲れたのよ。早く帰りたかったの。それが何、部屋、開かないじゃない。入れないじゃない。又フロントに戻ってきたじゃない。そして鍵出したら一言も何も言わず、謝るでもなければ、挨拶すらしないで鍵を放って渡すとは何事なの。偉そうに何なのよ人をバカにして」






どーっとしゃべった。こんな飛び飛びの話で彼がどのぐらい分かったかは分からない。






男子 「そうか、うんうん、分かった。それは大変だったね。そうなのか。あっちのノボテルへ行くなんて、可哀そうに。ポンと置くなんて、確かに失礼だ。悪かったよ。そんな態度はないよね。申し訳なかった。ホントだね。彼はひどいや。ちゃんと何か言わないといけないね」

私 「明後日出るまで1日あるから、どこかへ行こうと思ったけど、もう嫌だ。ホテルから一歩も出たくない。だけどホテルもこれじゃあどうしようもないじゃない。ちゃんと仕事しなさいよ」

男子 「うん、僕から良く言っておくから。悪かったよ。何かできる事があったら言って。何かある?」

私 「ああ、じゃあさ、私明後日チェックアウトなんだけど、フライト夜なんだよね。チェックアウトを夕方にすることってできるかな」

男子 「うん分かったよ。じゃあ、16時でいいかな。無料でいいよ。本当は30ドルなんだよ」

私 「そう、ありがとう。じゃあ16時でお願い」





30ドルじゃなかったかもしれない。50ドルだったかもしれない。20ドルかもだけど。でも、無料で延長できる範囲というものがあるはずなので、もしかして、エアポートホテルだし、そのぐらいなら元々無料だったかもしれない。






とりあえず安心して部屋へ戻った。もうこれで、明日はどこにも行かないでいよう。ホテルで夕食にして、たっぷりタイのプランを考えよう。











唯一安全な場所

部屋へ戻ったのは、23時22分。しばらくこの袋を持ったままだった。






ほっと一息だ。ここは安全だ。私しかいないもの。






とりあえず、袋から出した。

買った飲みものとかはこんな感じ。冷えていないのですぐ冷蔵庫へ。






シャワーを浴びようと思ったけれど、これを食べた。さっき買ったパプリカと、前に買って冷蔵庫に入っていたリンゴジュース。パプリカ、結構気に入ったので、又買おう。日本で売っているのかな。











食べ終わってすぐシャワーを浴びようとしたけれど、やっぱりもうちょっと待って、先にドレスを着てみることにした。











少し大きいんだよな。






ちょっとお尻も大きく見えるし。






襟は、要アイロンだ。ずれている。






しばらく一人でファッションショーをやり、何時だったか、やっとシャワーを浴びた。






シャワーから出て髪の毛を上げてみたら、おでこが膨れ上がっていて相当なショックを受けた。











こういう肌の人ってたまにいるけれど、私は違ったのに・・・。






エジプトにいるストレスでおでこまでおかしくなったか。

残り一生このおでこと生きていくのか。すごいショックだな・・・。






先にお伝えすると、これは、この後治りました。化粧落としは、無印のオイルを買って持って行っていたのだけれど、それまで使った事がなかったんだけど、どうやら全然化粧が落ちていなかったようで、ずっと汚れがたまった状態となっていたらしく、脂が固まったようです。タイに行って気が付いて、怒って無印オイルを捨てました。






だけど、本人はそんな事は知らないので、エジプトに来ておかしくなったのだと思い、ついにデコボコ肌になったのかと思ってショックを受けたままでした。






ブルーな気分のままで眠ろうとしたのは、3時過ぎだったかな。






明日はホテルで夕食を食べる。ちょっと夕食へ行ったつもりでも、どこへ連れて行かれるか分からんし。

もうこのホテルから出ないんだ。






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-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

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