保守的だ
フェースブックのメッセンジャーを開くと、電話のマークがあったので、それをタップ。
音楽は鳴っているけど、誰も出ない。やっぱりダメなのかな。
でも、切ったらむこうからかかってきた。
だけど私が出る前に切れた。
何だよやっぱりダメなのかと思いながらもう一度かけ直してみた。
「Hi Junko!」
ああよかった。
かけたのは、同じく結婚式に呼ばれていた友達。彼はフランス人。英語とイタリア語とアラビア語を話すイギリスに住んでいるフランス人弁護士。
どんなになっているか聞こうと思って。
結婚式は翌日の26日だったけど、その前に、新郎新婦がイベントみたいなものを開催していた。「24日と25日にこういうことをやるから、出席する人は連絡してね」という感じでメールが来ていたんだけど、結婚式自体に行けるかどうか分からなかったので返信していなかった。
イベントは、24日に日帰りでエストニアに行き、25日は、ランチから始まり、公園へ散歩に出て、夕方からは港の小さなカフェを貸し切り状態にして、みんなで集まって飲むという感じの内容だった。
日本の価値観と違い、何というか、新郎新婦がホストであるため、国際色豊かな世界では、色々とやるのだ。彼らの結婚式でも、新郎の親戚は全員カナダから来ており、その他友人も、イギリスを始め、住んでいるオランダからもベルギーからも来ており、それもあって、催し物を計画したのだと思う。
というわけで、この25日の夜は、港のカフェにいるらしかったので、フランス人の友達に、まだそこにいるのかと、何時頃に終わるのかと聞きたかった。
この時私はちょっと勘違いしており、このカフェでのイベントを、席が指定されていたり、紹介があったりと、あんまりカジュアルではないイベントだと思っており、もう今日は疲れているし、明日の結婚式で会おうかなとか思っていた。
私 「何時にそこを出るの?」
友達 「全然分からないよ。まだ僕の彼女が来ないんだ。だからしばらくいるよ。良かったらおいでよ」
私 「うーん。着いたばっかりだし、雨に濡れて疲れちゃったしなあ。誰がいるの?」
友達 「新郎新婦と、親戚とか、友達とかだよ」
私 「そっか。何時ぐらいまでやるの?」
友達 「さあ。もう1、2時間はやるんじゃないかな。疲れてるようだったら大丈夫だよ。明日会おう」
私 「お土産があるんだよね。これ、どうしようかな。結婚式までに渡したかったの。じゃあさ、ホテルに行ってお部屋に置いておいてって、フロントに預けておくよ。今日はちょっと、早く寝るね」
友達 「わかった。じゃあ今日はゆっくり休んで。明日結婚式前に、ホテルのロビーで会おう」
私 「うん。バイバイ」
寝ないでフライトでコックリコックリだけして又眠れなくなっちゃって、食事もほとんどしていないし、後でその辺で食事してスーパーにも行って、帰って寝よう。
あーあ。
さっきは寒かったな。
まだ寒いや。
暖房借りるかな。
お風呂に入るにはまだ早いしな。
そう、まだ早いし・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何してんのさ。
友達に会いに来たんじゃないのか。
なんかさっき、断ったろ。
断ったくせに、後で夕食に外へ出ようと思ったろ。
本命の用事を蹴って、その辺でご飯食べて寝るのか。
疲れてるけど、ヨーロッパに来て時差ボケになったことないじゃないか。
ヨーロッパ時間な体じゃないか。
寝てないからちょっとナチュラルハイだけど、丁度いいじゃないかナチュラルハイで。
顔洗って化粧し直して、ヒートテック着て行ったらいいじゃん。
今日と明日しか会えないんだよ。
10時間かけてわざわざ来て、早く寝るってなんだよ。
まだ夕方6時だよ。
どんだけ早く寝るんだよお前は。
朝刊配るのか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
行くか。
顔を洗って、化粧水つけて、ファンデーション塗って。
頭がツイストアフロになっているけど、分け目がなんだかずれている気もするけど、まあ、これでいいか。
寒いからヒートテックレギンスを履いて、ジーンズ。上もヒートテックで、薄いセーターあるし、あれを着よう。だけどそれじゃまだ寒いよ。薄くて暖かいカーディガン持ってきてるから、あれも着よう。それと、マフラー持ってきたかんね。巻こう巻こう。
とやっていたら、なんかファンキーなカッコになってしまった。頭がツイストパーマだったのでそれだけでもファンキーだったのに。
行け
戻った時のために、先に暖房を借りておこう。
フロントに電話をしてラジエーターヒーターを持ってきてもらった。持って来てくれた彼はケニア人だったので、「ケニアに行ったんだよー」なんて言いながらちょっとしゃべったけど、そんなことを言っている場合ではない。
行かなくては。
準備ができたのでFB電話をかけると、また誰も出ない。
そしてまた向こうからかかってきた。
すれ違ってばかり的ネット電話が繋がると何となく急いで話さないと切れそうで怖くなる不安症。
私 「あ、もしもし、何度もごめんね。まだいるのかなと思ってかけたんだよ」
友達 「まだいるよ。彼女、まだ来ないし」
私 「なんか、大して疲れてないし、まだみんないるなら行ってもいいかな」
友達 「もちろんOKだよ!」
タクシーのことをフロントで聞いてみよう。
私 「あ、さっきはありがとう。暖房持ってきてもらった」
フロントレディー 「え?」
さっき電話に出たのは隣のフロントレディーか。
声も分からんようになるほど疲れているか。
私 「あ、あなただよね、ありがとう。暖房きたよ」
隣のフロントレディー 「そう、よかった」
そして、こちらのフロントレディーへ。
私 「あのね、(カフェの住所を書いた紙を見せて)ここへ行きたいの。ここにみんなが集まってるんだ」
フロントレディー 「ああ、So it is all set up」
「All set up」は、どう訳したらいいだろうか。「全部計画されてるんだね」、みたいな、ちょっとびっくりしていたような感じだった。
やっぱりここまでの事前パーティーみたいなものは珍しいんだろうなと思った瞬間。
私 「そうなの。もうみんな行ってるんだ。タクシーでここに行ったらいくらぐらいかな」
フロントレディー 「15ユーロぐらいじゃないかな」
来る前に何かで読んだものに、フィンランドは流しのタクシーがほとんどないので呼ばないといけないと書いてあったので、
私 「だけど、どうやって呼んだらいい?呼んでくれる?」
フロントレディー 「うん・・・呼んでもいいんだけど・・・、とりあえず、あそこに1台いるよ・・・」
私 「あ、ホントだ。あれ、外を走ってるタクシーと料金同じなの?」
フロントレディー 「同じだと思うよ」
タクシーはすぐに見つからないと思い込んでいる私の前にあっさりタクシーがいたため、ある意味ぼったくりの待合タクシーではないかと思ってしまって、ちょっとレディーにフィンランドタクシーのことを聞いてみた。
大丈夫そうなので、そのあっさりタクシーに乗ることにした。
目にはすごい青クマがついているけど、そんなことで人生の大事な機会を失ってはいけない。
いいから行くのだ。
行け。