海沿いの舗装道路から内陸に入ると、場所によっては一気に悪路になる国だった。
ナビは正しと言えば正しかったけど、ナビを見て道だと思って進んでも、田んぼの真ん中の道だったり、砂利道でパンクするかと冷や冷やだったりで大変だった。
この日は、運悪く、一度すごいところに入ってしまった。
坂道で、ガードレールなどはもちろんなく、下は木ばかりで何も見えない。道路幅は私が乗っていた小さな車程度しか通れないであろうほどで、それなのに、相互通行。
ナビを見ると行けそうだったので坂道を上がってみたけど、進めば進むほど草木が邪魔で、右側の崖の下は枯れ木などで全く見えず、左側は山側で、そちら側から生い茂った雑草は車の前を遮るほどに成長して垂れてきていた。視界を遮るほどの垂れ具合だったため、対向車が来ても気が付くのが遅くなるだろうと思った。
だけど、そもそもUターンなんてするスペースもなさそうだったため、対向車がきたらどちらかが戻らなければいけないだろうと思われた。これ以上進んだ挙句にバックとなるとずいぶんの距離をバックしなければいけないので、やめるなら今だよなと思った。
その時点で100メートルもないぐらいだったと思うけど、そこからバックして戻ることにした。砂利道の坂を、ガードレールのない小さな崖の上を、もうあと30センチ右に寄れば落ちるだろう道をバックしたあの時の緊張感はものすごく、今も忘れられない。
無事に対向車も後ろからの車もなく坂道入り口地点に戻った時はものすごくほっとした。めっちゃ冷や汗だったし。ヨルダンのほうがずっとましだったなと思った。
やっとまともなドライブコースで美しい海を
ものすごく解放された気分で運転を再開した後は、海沿いのほうが安心だろうと思って西側に行った。
緊張感から解き放たれたのでゆっくりジュースでも飲みたいなと思ったけれど、西側は繁華街ではないのでカフェもろくになかった。行こうかなと思っていた海沿いの道があったんだけど、その手前にやっと一件カフェがあったので、路駐して入った。
長いことこのお店が見つからなかったけど、やっと見つけました。名前は変わっているはずだけど、ここです。
そうなると、たったこれだけの距離を3時間ぐらいかけて走っていたことになるかな。
カフェは、バーだったのかも。昼間だったからか、全然お客さんがいなどころか、電気すらあまりついていない店だった。なので、ここでは海を見たいとかそんなことではなく純粋に「明るさ」を求めて外のテーブル席をとったけど、すぐに暑くてしょうがなくなり日陰に移動した。めっちゃ日焼けしそうだったし。
何だったかジュースを飲み、これから行こうとしている海沿いの道には絶対トイレはないだろうと思われたため、ここでトイレを借りることにしたら、トイレの電気も消えていた。プチ停電かと思ったほど電気をつけない店だった。
もちろんトイレットペーパーもなかった。マイティッシュを使用。
ウェイター君に、目の前の崖の道は車で行けるのかと聞くと、行けるよと言うので、車で行ってみた。当時の道は舗装されておらず、その上細かったので大丈夫かなと思ったけど、それ以上細くなることもなかったので、小さなプジョーで無事に進めました。
さっきのレストランが見つかったので、そうなると、私が行ったのは、このどちらかかどちらもだと思う。でもどっちでもいいと思うよ。

どっちでも綺麗だと思うから。
走ったのはこんな砂利道だったけど、このレベルの砂利道なら結構普通だし、全然大丈夫。パンクはするかもだけど。
ここには少し花もあったな。でもゴゾのほうが良かったと思うよ。
ここと言われてもどこだか分からないだろうけど、車を停めたのはここです。駐車場とかそういう問題ではないので、「空地は駐車可である」をマイルールとしていた。
砂利道は、道でもあり駐車場でもあると。
男性を中心にしたグループがいたため、何をしているのかとその男性に尋ねたら、鳥類保護の会かなんかの方々のようだった。アクセントがマルタではなくイギリスアクセントだったので、ちょっと懐かしい気がして安心した。たった5日振りだったけど。
男性によると、マルタでは鳥を撃って殺す人がいるので、鳥を守るためにそういう人たちを探しているとのことだった。その人たちは殺してどうするのかと聞いたら、ただのゲーム感覚で殺して、死んだ鳥はそのままにしておくと言っていた。
ひどい。
でも、あまりピンとこなかった。
だって、鳥なんか全然見なかったから。全部撃たれちゃった後だったわけではないと思うが・・・。
なんでも、渡り鳥がアフリカに南下(か北上)する季節には、マルタには鳥が沢山いるらしい。私はマルタでは全然鳥を見かけなかったけど、渡り鳥がいるかいないかではどれほど旅行が違うかをその後ケニアで実感した。鳥の鳴き声が聞こえるだけでなく、色とりどりの鳥がいると、自然を味わえて旅行らしくなると思う。それを撃ち殺そうと思う気がしれない。
と思いながら、でも鳥にも会えぬまま次の場所へと移動です。