私にとって、海外一人旅とは、何か意味や強い思い出をくれるもの。過ぎてみなければ分からないかもしれないけど、すぐには気が付かないかもしれないけど、必ず何かがあるはずのもの。
このマルタ旅行は、レンタカー会社やホテルとのいざこざはあったけど、それ以外は順調で、退屈な旅だった。飛行機代は一番安い旅行だったけど、別にそこでものすごく感動するほどの話でもない。車も運転したけど、海外では何度も運転していた。
マルタ旅行って何だったのだろうと思っていたけど、しばらく経ってから写真を見直した時、「綺麗な青だな」と思えた。地中海の本当に綺麗な「青」を満喫できた旅だったのは確かだなと思った。
だけど、まだ足りないなと思った。
マルタから帰った時、「もう二度とマルタに行くことはないだろう」と思ったので、マルタの写真をメールに添付して恒例の季節のご挨拶メールを出し、そのように書いたら、返事をくれたイギリス人の友人の一人が、「僕も遠い昔マルタに行ったけど、やっぱり同じことを思った。何だか嫌な感じだった」と言っていた。そんな雰囲気を多少なりとも持っている国なのだろうなと思った。
でも、ずっと気になっていた国ではあったので、行けて満足ではある。次に又行くことがあるのならゴゾ島をメインの滞在先にすると思うけど。ゴゾ島のほうが断然居心地が良かったから。
でも、そんな感じで終わらせられるような意味しかなかったとも思えなかった。
地中海の青がキレイだったなと思ってから更に又少し経ってから、このサイトを立ち上げた。過去の旅行記を書くということは、もう一度その場所を記憶の中で旅するということ。
あのマルタの悪路の運転、果てしない運転、くたびれ果てた運転を思い出しながら、走りまくっておいて良かったなと思えた。
そして、自分の1人運転旅の象徴となるような旅行の一つだったなと思うと、私にとってのマルタ旅行の意味も変わり、今では、いずれ書く旅行記のための旅行だったのだと思えている。
全然分からないけど、マルタではこんなものではないかな。
推定走行距離
400キロから500キロ
甘いな。
走っていた場所も分からず、停まりたくなければそのまま進み、天気に合わせて自由に動き、トイレに困り、カフェに困り、ガソリンに困り、駐車場に困りという、私の好きな旅の「序の口」だったかな。
その後、このタイプの車運転旅を続けて行くことになるのだけど、 一人運転旅というのがいかに身軽で適当で自由かということを知ってもらうためには、いい出だしだった気がする。
この後、「何だかさっぱり分からないけどこの人ただ走っているよ」みたいな、そんな風にこの運転狂いはパワーアップしていきました。
マルタの400キロなんて甘いので、この旅行、今では何だか可愛く思えます。
完