3日目③「しれっといくなよしれっと」




さあ出かけよう

もう15時2分だ。だけど、年越しイベントは夜10時ぐらいからだって言っていたので、遅いランチで丁度いいし。






ピラミッドがどんなものか下見に行くついでにあの辺でランチにしよう。






観光地のあたりならレストランが多いだろうし、とにかくピラミッドのほうへ行けば何とかなる。大通りに出たら一本目を右折して行くのが最短だよね多分。ホテルを出て左に行き、大通りを左折して、大通りを渡ってすぐ一本目を右へ。






では出発。ホテルを出てすぐ左。あっちね。すぐ突き当たって、それが大通りなので、そこを又すぐ左折。






大通りに面しているのに、この建物はボロボロ。






一応右側にピラミッドが見える。逆車線が見えないけど、一方通行なのかな。






大通りに突き当たったところ。ここで左折して一本目を右に行きたい。






だけど、どう見ても渡れないけれど、右折は無理なのかな。何の工事だろうかこれ。この工事のガードの向こうには反対車線があって車が走っているのか、それとも片側だけなのか。






そして、なぜ砂なのだ。






ここは、一応ピラミッド徒歩圏内。ピラミッドには、毎年数万から数十万の観光客が来るわけでしょう。通常、どんな田舎でも、観光地の近辺だけは整備されているよね。

なんでこの道路、コンクリじゃないの?

と思っていたら、警察がいた。






私 「ピラミッドへ行くのにここを渡って右折したいんだけど、工事で向こうへ行けないんだけど、どこで右折できるの?」

警察 「シラヌ ワカラヌ ピラミッドナラ アイツニキケ」



と言って、そこら辺の建物の前に椅子を出して座っている男子を指さした。





私 「道を聞いてるんだから自分でいいでしょう。警察なんだから。ピラミッドへ行くんじゃないのよ。あの辺に行きたいだけ。だからそこを曲がりたいけど、工事していて向こうへ行けないの」

警察 「アイツニキケ アイツ」






アイツ 「ハロー」

私 「あそこ曲がりたいんだけど、曲がれないんだ」

アイツ 「ピラミッドイクノカ」

私 「違うよ。今はピラミッドのそばに行くだけ。レストランに行きたいの」

アイツ 「レストランカ イイトコロシッテイル チョットコイ」






その手に乗るかって。






私 「いやだよ。道を聞いただけで、レストラン紹介してくれなんて言ってないよ。もういいよ」

アイツ 「チョットコッチ コッチコイ コッチ イイトコロシッテル!!!」






うざいって。

放っておいてくれ。






しょうがないから完全無視を貫いてただ真っすぐ歩いた。






曲がりたかったところは通り過ぎ、大通りと大通りの交差点まで来てしまった。しょうがないなあもう。






だけど、








横断歩道は?






年間数十万人の観光地だぞ。その程度のものは百年前にできていてもおかしくないのに、21世紀の今でもないのか。






どこから渡るのだろう。






なんて思うこともなく気にせず突っ切るじゅんこさんが道渡り中。






結局、こんな風に大回りさせられた。






あの工事の裏側は逆車線が走っているわけではないようなので、どこか違うところに反対方向行きの道路があるらしい。






ただただ大通りを歩いていたけれど、ラクダに乗るかだの何だのと何度も言われた。






意味不明な勧誘は全部「ノー」でそのまま歩いたけれど、子供がついてきてしまった。

男の子2人で、兄弟のようだったけど、案内するからお金くれとかそんな感じだった。そのほか、どこから来たのかとかも聞かれた。

2人ともかわいくてね。特に弟の方は、まだ本当に小さくて、ヨタヨタ一生懸命着いて来ていたけれど、前ばかり見て歩いているから足元が分からず、2回も転んでいた。その度に振り返って大丈夫かと聞き、「お兄ちゃんなんだからちゃんと弟のことを見ていなきゃダメでしょう」とお兄ちゃんを諭したけれど、効果なく、お兄ちゃんはただ笑っているばかりだった。

チップチップみたいに言ってきて、もちろんお金が欲しいからついてくるんだけど、貧しい訳ではない。貧しい国の子供たちがお金をせがむのも分かっているし、物売りや客引きにも慣れている。

貧しいかどうかは見ればわかる。

貧しい子供の服ではなかった。ただただ、そう観光客に言う習性があっただけだと思う。そう言えと親が教育しているようなら、問題は親にある。






子供がやっと諦めて離れた頃、大通りがうざいので、ちょっと裏道から行ってみようかなと思い、曲がってみた。






急に静かになったな。






あまり人気のない道を通るのもそれはそれで問題だ。






裏通りが見られていいかもしれないけれど、こんなところでうざい男につきまとわれたらかなわない。






こんな人気のない突き当りを一方向にしか進めないところなんてもってのほかだ。






早く人がいるところへ出たい。






それにしても、発展途上国もいいところだな。ピラミッド大国とは思えない。






誰もいないけれど、車があったので少し安心した。






人がいたらいたでうざいし、いなかったらいなかったで心配だし、困ったもんだな。






ああ、なんかちょっと人通りがありそうな場所に出る予感がする見た目だ。






出た。15時44分。






もうここがピラミッドのチケット売り場にとても近いであろう事は分かっていたけれど、ここまでくるまでにさぞたくさんのレストランがあるものだろうと思っていた。

世界で一番かもしれないほど有名な観光地なので、世界で一番有名であろう観光名所の周りはさぞかしカフェやレストランが多いだろうと思っていた。






お菓子屋みたいなお店はあったし、カフェと書いてあったところも数軒あったけれど、エジプト料理が食べられそうなレストランは見当たらなかった。

グーグルの地図でレストランマークを探しながら行ったけど、開いてなかったのね。コロナだからしょうがないかなと思ったけれど、それにしても、これほどレストランがないのはおかしいと思った。






スフィンクス近くのチケット売り場のあたりまで来て、あの道路へ行けるのなら帰りはあちらから帰ろうと思ったけれど、多分あっちにレストランはないだろうから、






こっち側で食べないと。ピザハットか・・・。






と思ったけれど、このバスがどいたら、レストランが見えた。グーグルマップで見たら口コミがたくさんあったから、いいレストランらしいので、ここにした。アボウシャクラ?






口コミも良さそうだったし、お客さんも入っていたので、きっと美味しいと思うよ。






初のエジプト料理

2階席へ行き、窓側がいいなと思っていたけれど、一番良さそうな席はグループが座っていたので、私は一人だし、端っこのほうへ案内された。






だけど、丁度窓の近くだったから、こんな見え方もいいなと思った。






ただ、どうしても、暗い。






しょうがないから、スマホの出番。






明るい。これなら楽しそうなランチに見えるな。本当はどうであれ。






さて、どれにしよう。






さっぱり分からんが。






店員を呼んで、エジプト料理が食べたいと言ってみた。

意外なことに、メニューの一部しかエジプト料理ではないらしく、あれとこれとそれだよと言われ、素直にそのあれとこれを頼んだ。それはケバブ系だったので、重いからやめた。






飲み物は、フレッシュオレンジジュースとお水。この位置だと明るいので、






スマホもコンパクトカメラもあまり変わらないと思う。






美味しかったよ。フレッシュだし。






そして、最初に来たもの。サラダのつもりで頼んだら意外なものが来たので驚いた。






スマホ版のほうが暗いな。

これを一体どうやって食べたらいいのかと思っていたら、パンがきたので、それですくって食べることにした。

スマホ版。






ただパンをちぎってつけて食べたけど、なんか、おいしいじゃないか。いけるじゃないか。

でも、タバコ臭いのは気のせいか。なんか、タバコの味がする気がする。






これ、頼んだ時、タヒーナって言っていたと思うんだよね。タヒーナだとすると、白ごまペーストのもの。ちょっと自信がないものに、ババガヌークがあり、それはナスなんだけど、そっちではないと思うんだよな。

ナスペーストにごまを入れたと言われればそれはそれでそうなのかもしれないと思うけど、タヒーナだと思うな。

因みに、パンは、エジプトパンのアエーシのようです。ナンみたいなやつ。





パンもペーストもいける味だった。刺激的というか、新鮮だった。






次に来たのは、これ。

スマホ版。

これは、中身がオクラがあるけどと言われ、オクラじゃないやつがいいと言ったらこれになった。何だろうと思ったけど、ナスだったみたい。

ただナスがたくさん入っており、それがホロホロに煮込まれていて、どうしたらこんな短時間でこんなにホロホロになるのだろうと思った。ナスとトマト以外では何が入っているのか分からず、オリーブオイルがえらいたっぷりかかってる事は分かったけれど、どう味付けたのかはよくわからない。

でも、トマトとナスとガーリックとオリーブオイルの味しかしないシンプルなもので、それでもこのトマトがいい感じだった。

昨日のアラビアータと言いこれといい、トマト使いがうまいと思った。ぐっつり煮込んだ味というか、温かみがあるトマト使いな気がした。






結局このトマトが何だか分からないけれど、トマト煮込みは他のところでも食べたので、具だけ変えて色々なバージョンがあるのだと思います。

温かくて美味しかった。






頼んだものが小さかったので満腹とまではいかなかったけれど、どれもすごく美味しかったので、お腹も私も満足。

店員を呼んで、会計してと頼んだ。






レシートを持ってきてくれて、食事代の品目は5種類で、頼んだのは、①水、②オレンジジュース、③タヒーナ、④トマト煮の4種類なため、パンが入っているのかもしれない。アラビア語なのでさっぱり読めん。パンだったとして、食事の合計額は105.76エジポン。

そして、12%のサービス料と、税金が14%。これはエジプトの他のレストランでも同じ。そういうわけで、合計が135.05エジポンになった。

日本円で、756円。






安くていいじゃないか






こんなに美味しくて756円とか、エジプト、物価安くて助かる。金金うざかったけど、おいしいものを食べてそれが安かったので、しかも一応ピラミッド見ながらだし、まあいいんじゃないか。






実は、書き忘れたけど、タクシー代の小さいお札がなかったので、結局ホテルの女性が立て替えてくれていたから、200エジポンを崩して小さなお札にしなければならなかった。

だから、135ぐらいだとちょうどいい。

200札を渡して、トイレへ。






一応レストランだしね。それなりではあった。手すり等は一切なしです。一階にトイレがないなら二階のトイレを利用するわけだから、エレベーターがないので、車椅子はちょっと無理です。






なんていう感じでまた書いていこうと思っていたけれど、そもそもエジプト自体、障害があると観光しづらいと思います。杖というだけでもかなりつらいと思う。






洗面所は、まあいいかな。一応洗剤があったから。






そして、席へ戻ると、お釣りを持ってきてくれた。でも、お釣りだけで、レシートは消えていた。

お釣りの金額は、60。おかしいなと思ったけれど、レシートがなかったから、旅行記を書く時にも困るので、店員を呼び、レシートを頼んだ。






そして私は計算した。

ええと、200から135を引くと、いくつだろう。

200から先に100を引いておいて、そうすると100余るから、その100から35を引いてみよう。

100から30を引くと70だから、70から5を引けば、65だ。10から5を引いたのなら、残りは5だから、多分きっと、どうやっても5がつくと思います。

だから、一の位は、絶対に5なのです。

はい、良くできました。

だけど、お釣りの一の位が5じゃないので、ええと、計算機はどこだろう。






お前しれっといったろしれっと。

レシート隠せばばれないとでも思ったか。

私はあれか。こんな簡単な計算もできずに簡単に騙されるような人間か。






ジュンコサン サッキシンケンニ ケイサンシテイマシタヨ

ケイサンキホシイッテ






もしかしてレシートの金額を見間違えたかもしれない。絶対に135だと思うけど、0.5もあったはずで、だとしたらお釣りはとっても細かいはずだから、札でしか来ないのはおかしい。






すると、店員の一人が来て、テーブルの上に置いていった。






お金だけを。

金額は65。お釣りをくすねた事がばれたからレシートを持ってこいと言われたと思ったのだと思う。私は本当にレシートが必要で、それがないと旅行記を書くときに困るし、全部旅費の会計をつけているので、旅行記を書かなくても今回の旅費がいくらか分からなくなるので困るのだ。だから欲しかったのは正確な金額のお釣りだけではない。

そしてもう一度レシートが要るのと言ってもってきたもらったのが上にアップしてある写真。やはり135.05エジポンで、私の記憶は正しかった。計算も合っていた。

オメデトウ

レシートさえ渡さなければ金額が分からないからお釣りが多少少なくても分からないと思っているのかもしれないが、






汚いってこういうの。

お金が欲しけりゃ最初からメニューの金額を上げろ。






チップだろうと思うかもしれないけれど、チップとは客が自主的にあげるものであり、店が無断でとるものではない。だけど何より、レシートの通り、サービス料12%が加算されている。サービス料を払えばチップはいらないというのは世界中どこでも一緒なのではないか。それでも客が気分が良かったのならチップを払うかもしれないが、店がお釣りからくすねていいものではない。

この、釣りを渡さず勝手に盗むというやり方をやめろ。

チップチップと言ってくる国は今までいくつも行ったけど、勝手に釣りから引いてしまう国は初めてだ。国でなく人だけど。

さっきのタクシーの運ちゃんと言い、釣りを渡さないのはただの窃盗なのでやめるべき。






足りなかったのは5エジポンなため、25円ほどで安いと思うだろうけど、それは私の食事代が安かったから。いくらなんでも、135エジポンの会計で100はとれないはず。200札しか出していないわけだし。

団体で数百エジポンであれば、もっと多くとれたと思う。

最終的に私は0.5エジポンをおまけしてもらったかたちになっているけどね。






ピラミッドを見て美味しいものを食べて何となくやっていけそうな気がしたが、こういうキタナイやり方をされると、非常に腹立たしい。

大晦日に二度もくすねられそこねたぞ。

大丈夫なのかこの旅行は。




次のページへ >



< 前のページへ



最初から読む

-エジプトピラミッド切れ気味一人旅

© 2024 一人旅運転日記 by Junko(MENSA会員)